~前回~ヘルスケアリートの解説①ヘルスケアリート(Health Care REIT)の概要
ヘルスケアリートの解説2回目です。本日は「ヘルスケアリートの導入に向けた取り組み」です。
■ヘルスケアリートにおける世界の状況
アメリカでは2014年5月時点で14銘柄が上場し、時価総額の合計額が8.1兆円規模となっています。これは日本のJ-REITとほぼ同規模です。世界的にみてもカナダ、シンガポール、イギリス等にも存在して拡大してます。しかし、日本ではリートがヘルスケア施設に投資した実績はあっても、ヘルスケア施設に特化したヘルスケアリートがありませんでした。
■ヘルスケアリートの導入に向けた取り組み
ヘルスケアリートは、ヘルスケア施設という不動産を運用資産とするので、オフィスビルや商業施設等の不動産を運用資産とする一般的なリートと同様なため法的な考慮が必要なわけではありません。しかし、ヘルスケア施設は、運営に特別なノウハウや専門性が必要となり、事業者(オペレーター)の運営能力に関する評価も必要です、さらに入居される高齢者に関する配慮も必要なことから、様々な議論が行われ、ガイドライン等が整備されました。
2011年3月 住生活基本計画変更
高齢者や障害者が安心して暮らすことができる住環境の整備を目的に施策してサービス付き高齢者向け住宅の供給促進 →国土交通省 |
2012年10月~2013年3月 ヘルスケア施設供給促進のための不動産証券化手法の活用及び安定利用確保に関する検討委員会
・国土交通省主催でヘルスケアリート導入に関わる研究会を開催 ・導入にあたっての論点整理と普及に向けた方向性を取りまとめ |
2013年6月 日本再興戦略の公表
民間資金の活用を図るため、ヘルスケアリートの高齢者向け住宅等の取得・運用に関するガイドラインの整備、普及啓発等について記載 →大和総研グループ |
2013年12月 ヘルスケア施設供給促進のためのREITの活用に関する実務者検討委員会(中間取りまとめ)の公表
オペレーターからリート、リートから投資家への各段階における情報開示について一般社団法人不動産証券化協会主催で中間報告を実施 →中間とりまとめ |
2014年3月 東京証券取引所における有価証券上場規程等の改正
ヘルスケアリート上場に向けた取り組み等を踏まえた規定整備の実施 →東証 |
2014年5月 ヘルスケア施設供給促進のためのREITの活用に関するガイドラインの公表
投資信託協会より、ヘルスケアリート導入に係わるオペレーターとの連携や情報開示についてのガイドラインの公表 →ガイドライン |
2014年6月 高齢者向け住宅等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドラインの公表
国土交通省より上記のガイドラインを公表 →国交省ガイドライン |
■今後について
上記にあります2014年6月に出された国交省からのガイドラインが公表され、ヘルスケアリートに関するルールがひと通り出揃いました。これらのガイドラインはいずれもすでに施行されており、順次適用され、今後ヘルスケアリートの上場がなされていきます。
ご不明点等ありましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ)03-5201-3645)
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