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有料老人ホーム入門④(人員体制・職員配置)

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~前回~有料老人ホーム入門③(重要事項説明書)

前回は有料老人ホームの重要事項説明書について解説させて頂きました。今回は、その重要事項説明書に記載されている職員の人員体制・職員配置について解説します。

人員体制については、要介護者と職員の比率で3:1というよく表記を目にすると思います。「そんなにいるんですか?」と、見学に行った際にご家族の方にもよく聞かれます。これは要介護者3名に対し、24時間常に職員1名が対応するという誤解であることがあります。
今回の解説ではこのような疑問についても解決いたします。

<概要>
有料老人ホームについては、健康型、住宅型、介護付とあります。(→有料老人ホーム入門①(概要)
それぞれの場合についてみてみます。

●健康型・住宅型有料老人ホーム
人員配置に関する基準はありません。
住宅型有料老人ホームの場合は、提供するサービスというのは利用者によって異なるため、施設が提供するサービスに応じて職員を配置するようになっています。

●介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームは、介護保険の「特定施設入居者生活介護」という定額サービスが利用できる施設です。
この特定施設には、介護保険法で職員配置の最低基準が設けられています。
この最低基準では、特定施設は入居者3名(要介護、要支援2の高齢者)に対して1名を配置するものとされています。また、要支援1の方10名に対して看護職員と介護職員を合わせて1名と定められています。
表記としては「3:1」となります。
この他にはより手厚い介護体制として、「2.5:1」「2:1」「1.5:1」とされることがありますが、最低基準は「3:1」です。

<職員の配置>
特定施設(介護付有料老人ホーム)の職員の配置については、「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」「特定施設入居者生活介護人員に関する基準」において、入居者の数および提供するサービス内容に応じ、以下のようにすることとされています。

●施設長
→常勤の管理者を置くこと。
●事務員
●生活相談員
→常勤換算で利用者100人に対し1人以上配置する。
●介護職員
→常に1以上配置する。
●看護職員(看護師又は准看護師)
→利用者が30名未満の場合は、1人以上配置する。利用者が30名以上の場合は、30名を超えて50名又はその端数を増すごとに1人を加えて得た数以上とする。
●機能訓練指導員
→理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師の資格を有するもので1人以上配置する。
●栄養士
●調理員
●計画作成担当者(介護支援専門職員)
→専従で1人以上配置する。

<計算方法>
最低基準が「3:1」と言われてもわかりづらいと思いますので、計算方法を説明させて頂きます。
この3:1の職員配置は、要介護者3名に対し常勤職員が1名であることを意味しますが、常勤ではない短時間のパートさんについては、勤務する時間に応じて計算します。
このように常勤・非常勤の職員を全て常勤に換算して計算する方法を「常勤換算」と言います。

●計算例
前提条件:入居者60名(すべて要介護)/常勤スタッフ18名・非常勤スタッフ4名(週20時間勤務)

まず、常勤スタッフは18名なので、常勤換算はそのまま18です。
非常勤スタッフ4名の計算は次のようになります。
施設の常勤職員が一日の勤務時間を8時間として、週5日働くとすると週40時間。これが常勤換算1の基準となります。
非常勤の方は、週20時間働くということなので、週20時間÷週40時間=0.5です。したがって、非常勤の方の常勤換算は0.5となります。
この例では非常勤スタッフが4名いるので0.5×4名で常勤換算は2となります。
よって、常勤換算の結果は常勤スタッフと非常勤スタッフを合わせた20となります。

要介護者が60名に対して常勤換算20となり3:1となることから、この事例は介護保険法の最低基準を満たしています。

<まとめ>
有料老人ホームのうち、「介護付有料老人ホーム」では、3人の要介護者に対し、1人以上の介護または看護の職員を配置することが義務付けられています。これを単純表記すると「3:1」となります。ただし、これは、要介護者3名に対し、24時間常に1名の職員を配置するという意味ではありません。
「3:1」は要介護者3名に対する常勤換算した職員の人数です。この人数で、早番・日勤・遅番・夜勤・公休とシフトを組んで援助体制をとることとなります。したがって、常時に換算すると10名に1名程度となるのではないでしょうか。
多くの施設では1日のなかでも入浴や食事対応など人手を多く必要とする時間帯には、多くのスタッフを配置し、一方夜間は、少人数で対応するといった体制をとっています。
職員配置について不安がある場合は、事前に運営者等に確認するようにしましょう。

その他、ご不明点等ありましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ)03-5201-3645)

次回は有料老人ホーム入門⑤(住所地特例について)です。

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~有料老人ホーム入門~
有料老人ホーム入門①(概要)
有料老人ホーム入門②(契約方式・利用料の支払方式)
有料老人ホーム入門③(重要事項説明書)

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