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~前回~有料老人ホーム入門④(人員体制・職員配置)
本日は住所地特例について解説させて頂きます。
<概要>
介護保険は市区町村が保険者となり制度が運営されています。そのため住所を異動した場合、通常は異動に伴い保険者が変更されます。
しかし、施設へ入所・入居することにより住所を異動した場合、保険者を継続することがあります。これを住所地特例といいます。
<住所地特例が設けられた理由>
介護保険制度は、原則として居住している市区町村を保険者として介護保険に加入する仕組みになっています。
しかし、介護保険の施設入所者を一律に施設所在地の市区町村の被保険者としてしまうと、介護保険施設等が集中して建設されている市区町村の介護保険給付が増加し、財政上の不均衡が生じます。 住所地特例はこういった状態を解消するために設けられた措置であり、介護保険の他に国民健康保険、後期高齢者医療制度に設けられています。
<住所地特例対象者>
65歳以上の人、40歳以上65歳未満の医療保険加入者の人で、住所地特例対象施設に入所した人が対象となります。また要介護認定がなくても(自立でも)住所地特例施設に入所した場合、対象になります。
<住所地特例の対象施設>
・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) ・介護老人保健施設 ・介護療養型医療施設 ・有料老人ホーム(介護付・住宅型) ・軽費老人ホーム(ケアハウス) ・サービス付き高齢者向け住宅(一部:下記参照) ・養護老人ホーム |
<サービス付き高齢者向け住宅の取り扱い>
サービス付き高齢者向け住宅は、以下に該当する場合、介護保険法第13条における「特定施設」となり、「住所地特例」の対象施設となります。
(1)サービス付き高齢者向け住宅の登録を行い、かつ特定施設入居者生活介護の指定を受けた場合
(2)サービス付き高齢者向け住宅の登録を行った住宅が、有料老人ホームに該当するサービス(介護、家事、食事、健康管理のいずれか)を提供し、かつ契約形態が利用権方式の場合です。
→2015年4月より改正(サービス付き高齢者向け住宅入門(43)サ高住と住所地特例(2015年介護保険改正))
<住所とは>
住所とは、民法第22条で「生活の本拠を住所とする」と定められています。したがって、施設に入所(入居)した場合、住所も施設の所在地に異動しなければなりません。
ただし、介護老人保健施設・介護療養型医療施設については、住所地特例対象施設ですが、入所・入院期間が、概ね3~6か月となっています。(施設の判断によりますが、病状や身体状況、家庭環境により特に期間を定めていないところもあります。)このため、住民登録を施設に置くことを認めていない施設もあります。
この場合は施設に住所変更をしていませんから、住所地特例の適用にはなりません。施設入所前の住所地の被保険者資格を継続します。施設入所に伴って、親族の自宅等に住所変更をした場合は、親族の自宅等の住所地の被保険者になります。
<手続き>
●適用届:被保険者が、他の市区町村の介護保険住所地特例対象施設に入所し、施設所在地へ住所を変更した場合に届け出が必要です。
●変更届:住所地特例適用者が他の住所地特例対象施設へ住所を変更した場合に届け出が必要です
●終了届:住所地特例適用者が住所地特例対象施設を退所し、在宅へ住所を変更した場合、または死亡した場合に届出が必要です。
<届出の受付場所・受付時間>
「介護保険住所地特例適用・変更・終了届」を各市区町村の担当窓口に住民異動があった日から、各市区町村ごとに定められた日数以内に提出する必要があります。
その他、ご不明点等ありましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ)03-5201-3645)
次回は有料老人ホーム入門⑥(特定施設入居者生活介護)です。
~有料老人ホーム入門~
●有料老人ホーム入門①(概要) ●有料老人ホーム入門②(契約方式・利用料の支払方式) ●有料老人ホーム入門③(重要事項説明書) ●有料老人ホーム入門④(人員体制・職員配置) |
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