~前回~サービス付き高齢者向け住宅入門(35)(サ高住は終の棲家になり得るか)
本日はサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が増加している背景について解説させて頂きます。入居を検討される方にとってはサ高住の経営などがどういったモデルか気になるところだと思います。なぜならサ高住の運営は営利法人が多いので、有料老人ホームと同様倒産のリスクがあるからです。
<国の政策>
サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の方の受け皿として、また地域包括ケアの核として、国はその整備に力を入れています。2020年までに全国に60万戸作る予定です。
そのため、下記で紹介する補助金制度、税制優遇などがあります。
■登録数
12万戸※→60万戸
※2013年9月末時点:126,803戸(3,906棟)
情報元:サービス付き高齢者向け住宅情報システム
■地域包括ケアシステム
重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるよな仕組みを地域包括ケアシステムといいます。
<補助金>
■国からの補助金
サービス付き高齢者向け住宅の供給促進のため、建設・改修費に対して、国が民間事業者、医療法人、社会福祉法人、NPO等に直接補助を行います
対象 | 登録されたサービス付き高齢者向け住宅 |
補助額 | 建設費の1/10又は改修費の1/3(国費上限100万円/1戸) |
要件 | ●サービス付き高齢者向け住宅に10年以上登録 ●入居者の家賃が近傍同種の住宅の家賃とバランスが取れている ●家賃等の徴収方法は前払方式に限定されない |
<税制優遇・融資>
■税制優遇
所得税・法人税 | 固定資産税 | 不動産取得税 | |
内容 | 5年間割増償却(40%) (耐用年数35年未満のものは28%) | 5年間税額を2/3軽減 (土地は含まず) | 家屋:課税標準から1,200万円控除/戸 土地:家屋の床面積の2倍にあたる土地面積相当分の価格等を減額 |
面積要件 | 25㎡/戸(専用部分のみ) | 30㎡/戸(共用部分を含む) | 30㎡/戸(共用部分を含む) |
戸数要件 | 10戸以上 | 5戸以上 | 5戸以上 |
その他の要件 | - | 国又は地方公共団体から建設補助を受けている | 国又は地方公共団体から建設補助を受けている |
■融資
住宅金融支援機構において「サービス付き高齢者向け住宅」として登録を受ける賃貸住宅の建設に必要な資金の融資を受けることができます。実際は住宅金融支援機構より、銀行からの借り入れのほうが利率が良いケースが多いためあまり使われていないようです。
<土地活用>
■地主と運営会社の関係
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のほとんどは、運営会社が自ら建設し運営をしているのではなく、地主さんに自らの資金でサ高住を建ててもらい、運営会社が一括借上げ(サブリース)する方法が一般的です。理由としては、運営会社としては、自己資金で行うより迅速に出展できますし、多く展開しやすいからです。
■土地の有効活用
土地の有効活用としてサービス付き高齢者向け住宅などの福祉施設の建設は注目されています。立地が悪いところでもサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームでは集客を見込めたり、運営会社に借上げしてもらえば空室リスクもなくなります。さらに上記の補助金、税制優遇、などもありますので、投資案件として採算もよく、社会貢献にもつながるからです。
その他、ご不明点等ありましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ)03-5201-3645)
次回はサービス付き高齢者向け住宅入門(37)(サ高住に入居するまでの流れ)です。
~今までのサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)についての解説~
- 発行: ダイヤモンド社
- 出版社: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/04/22
- 定価: ¥740
- ジャンル: Book
- メディア: 雑誌
- Amazon.co.jpで詳細を見る