~前回~サービス付き高齢者向け住宅入門(30)(実態調査③ 医療関連)
地域包括ケアの切り札として、昨年(2012年)4月にスタートしたのが、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」です。国は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)との組み合わせを理想のモデル像としています。
本日は、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」について解説させて頂きます。
<定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは>
定期巡回・随時対応型訪問介護看護(以下・24時間サービス)とは、重度者を始めとした要介護高齢者の在宅生活を支えるため、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護を一体的に又はそれぞれが密接に連携しながら、定期巡回訪問と随時の対応を行うものです。地域密着型サービスの一類型として創設され、対象者は要介護者のみとなります。(介護予防サービスは規定していません。)
<提供されるサービス>
24時間サービスで提供するサービスは、「定期巡回サービス」「随時対応サービス」「随時訪問サービス」「訪問看護サービス」の4サービスがあります。
●「定期巡回サービス」
訪問介護員等が定期的(原則、1日複数回)に利用者の居宅を巡回して行うサービスです。
●「随時対応サービス」
あらかじめ利用者の心身の状況、その置かれている環境等を把握した上で、随時、利用者又はその家族からの通報を受け、通報内容を基に相談援助又は訪問介護員等の訪問若しくは看護師等による対応の要否を判断するサービスです。
●「随時訪問サービス」
「随時対応サービス」における訪問の要否等の判断に基づき、訪問介護員等が利用者の居宅を訪問して行うサービスです。なお、「随時訪問サービス」は、通報があってから、概ね30分以内の間に駆けつけられるような体制確保に努める必要があります。
●「訪問看護サービス」
看護師等が医師の指示に基づき、利用者の居宅を訪問して行う療養上の世話又は必要な診療の補助を行います。
<サービスの利用形態>
サービスの利用形態は次の2つの類型を定義しています。
●一体型事業所
1つの事業所で「定期巡回サービス」、「随時対応サービス」、「随時訪問サービス」、「訪問看護サービス」のサービスを一体的に提供します。
●連携型事業所
事業所が地域の訪問看護事業所と連携をしてサービスを提供します。⇒ 訪問看護(居宅での療養上の世話・診療の補助)は連携先の訪問看護事業所が提供
<金額目安>
24時間サービスは、1日何度でもで定額で利用できるサービスです。金額の目安は以下を参照ください。
介護度 | 介護・看護利用者 | 介護利用者 |
要介護1 | 9,720円 | 6,670円 |
要介護2 | 13,920円 | 11,120円 |
要介護3 | 20,720円 | 17,800円 |
要介護4 | 25,310円 | 22,250円 |
要介護5 | 30,450円 | 26,700円 |
<併用できないサービス>
以下のサービスは、サービス内容が重複するため24時間サービス利用時は利用できません。
●訪問介護(通院等乗降介助を除く。)
●訪問看護
●夜間対応型訪問介護
<サ高住と24時間サービス>
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所・訪問看護事業所が併設されていると、国が理想のモデル像としているだけあり、とても相性が良く利用者にとってとても使いやすいサービスです。入居者は、ケアが必要なときにいつでもコールにより訪問してもらえます。
従来のサービス付き高齢者向け住宅+訪問介護ですと、訪問時間がケアプランによって定まっているため、重度の入居者などが、おむつ交換などを訪問時間まで我慢しなければならないことがありました。しかし24時間サービスではそういった悩みが解消し、定額で利用できることから、サービス付き高齢者向け住宅において介護付有料老人ホームに近いようなサービスを受けることができます。
その他ご不明点等ありましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ)03-5201-3645)
次回はサービス付き高齢者向け住宅入門(32 )(入居の準備-必要な手続き・必要なもの-)です。
~今までのサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)についての解説~
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