~前回~サービス付き高齢者向け住宅入門⑬(契約関連その①)
前回は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の契約について説明しました。サ高住の契約には賃貸借契約と利用権契約があり、賃貸借契約を採用している場合が多いです。
通常の賃貸借契約をとっている場合は、一般的なマンションの賃貸と同じであるため特に解説は必要はないと思いますので、今回は、少ないケースである利用権契約又は賃貸借契約による一括前払いの場合を解説をします。
●利用権契約
サービス付き高齢者向け住宅で利用権方式をとっているケースは、有料老人ホームがサービス付き高齢者向け住宅の登録をした場合に多いです。
具体的には、住居と状況把握・生活相談サービス以外のサービスの提供(食事の提供等)が一体となって契約されている場合です。
この際の入居一時金は、敷金、家賃・サービスの対価のみとなっており、権利金やその他の金銭を請求することはできません。
●賃貸借契約の一括前払
家賃・サービスの対価の前払金を請求する場合は、前払金の算定の基礎、返還債務の金額の算定方法を明示しなければなりません。
したがって契約書には、算定基礎及び返還債務の算定根拠が記載されています。しっかり確認しましょう。
●クーリングオフ
有料老人ホームには、クーリングオフ制度があります。
これは、契約してから90日以内に契約を解除した場合、入居一時金は居住期間の利用料などを除いた全額を返還するという制度です。
サービス付き高齢者向け住宅でも、家賃等を前払いする場合は、以下のような定めがあります。
・入居後3カ月以内に契約を解除、または入居者が死亡したことによる契約終了の場合、入居から契約解除までの日数×日割計算した家賃等を除く金額を返還する。
・また3ヶ月を超える場合も、上記で説明したように返還債務の算定根拠が契約書に明記することとし、それに従って返金する。
返還義務の算定例は、コチラをご参照ください。
期間に定めのある『賃貸借契約又利用権契約』と『終身建物賃貸借契約又は終身にわたる利用権契約』の場合の算定例が記載されています。
ご不明点等ございましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にご連絡ください。
次回はサービス付き高齢者向け住宅入門⑮(安否確認)です。
~以下今までのサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)についての解説~
●①概要 ●②現状の数と将来推移 ●③サービスとは? ●④サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違い ●⑤メリット・デメリット ●⑥ご夫婦部屋について ●⑦入居条件 ●⑧食事について ●⑨併設施設 ●⑩地域と月額料金 ●⑪退去要因 ●⑫サービス付き高齢者向け住宅と医療行為 |
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