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~前回~サービス付き高齢者向け住宅入門⑯(サ高住と認知症)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や有料老人ホームのパンフレットで○○クリニック併設、○○病院と提携、○○診療所と提携などをよく目にしたことがあると思います。
そういった中に、「在宅療養支援診療所の医師が24時間対応」といったものも目にします。何度か質問を受けたことがあるので、この場で解説したいと思います。
●在宅療養支援診療所とは
在宅療養支援診療所は、看取りまでを含めたトータルなケアが受けられるよう、在宅医療の中心的な役割を担う診療所として、2006年度改訂で創設されたものです。在宅療養支援診療所には、在宅患者への24時間の対応体制、関係職種との連携体制等の施設基準が定められていますが、その代わり、診療報酬上で他の医療機関よりも高い点数が算定できる項目などが設定されています。
●在宅療養支援診療所の要件
① | 診療所である。 |
② | その診療所において24時間連絡を受ける医師または看護職員をあらかじめ指定し、連絡先を文書で患家に提供している。(患家=患者の家) |
③ | 緊急時に在宅患者が入院できる病床を常に確保し(他の医療機関との連携可)、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出ている。 |
④ | 24時間往診が可能な体制(診療所は他医療機関との連携可)を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供している。 |
⑤ | 自院又は訪問看護ステーションとの連携(診療所の場合は他の医療機関との連携も含む)により、24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文書により患家に提供している。 |
⑥ | 連携先の医療機関や訪問看護ステーションが緊急時に円滑な対応ができるよう、あらかじめ患家の同意を得て、必要な情報を文書(電子媒体を含む)で提供している。 |
⑦ | 患者に関する診療記録管理を行うのに必要な体制が整備。 |
⑧ | 地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携している。 |
⑨ | 年に1回、在宅看取り数等を地方厚生(支)局長に報告している。 |
在宅療養支援病院や、機能を強化した在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院といったものもありますが、今回は割愛します。
●サ高住と在宅療養支援診療所
では、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)における在宅療養支援診療所はどのような役割を担っているのでしょうか。
在宅療養支援診療所は、24時間体制で受けることができ、いつでも往診・訪問看護を提供できるということが強みです。また、緊急入院の受け入れ体制や介護・医療サービスの連携により、医療行為が必要な人にとって、とても安心できる仕組みとなっています。よって在宅療養支援診療所は、医療行為が必要な方が在宅で生活していく上で非常に重要な役割を担っています。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、あくまで住宅ですが、在宅療養支援診療所のサービスを受けることで、本当の意味で終の棲家として利用することが可能になるかもしれません。
ご不明点等ございましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にご連絡ください。
次回はサービス付き高齢者向け住宅入門⑱(東京都における独自ルール)です。
~以下今までのサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)についての解説~
●①概要 ●②現状の数と将来推移 ●③サービスとは? ●④サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違い ●⑤メリット・デメリット ●⑥ご夫婦部屋について ●⑦入居条件 ●⑧食事について ●⑨併設施設 ●⑩地域と月額料金 ●⑪退去要因 ●⑫サービス付き高齢者向け住宅と医療行為 ●⑭契約関連その① ●⑭契約関連その② ●⑮安否確認 |
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