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~前回~有老人ホーム入門⑯(有料老人ホームと特別養護老人ホームの違い)
本日は有料老人ホームにおける医療行為について解説したいと思います。
有料老人ホームに入居を考える方の多くは、なんらかの不調や持病をかかえている人が多いと思います。ですので、入居後に病気や怪我によって医療や看護サービスを必要となる方も多いと思いますので、そのあたりは入居前にしっかりと確認するべきところになります。
<看護師の人員配置とは>
●介護付有料老人ホーム(特定施設)の場合
介護付有料老人ホームの場合は、看護師の配置は入居者の人数に応じて下記の基準以上でなければなりません。
入居者 | 看護師 |
30名まで | 1名配置 |
31名~80名 | 2名配置 |
81名~130名 | 3名配置 |
→常勤換算法で考えます。また夜間に看護師を配置しておかなければならないという決まりはありません。ですので、日中(例えば9時-18時)のみ常駐といったホームが多いです。
人員配置についての詳しい解説はコチラ→有料老人ホーム入門④(人員体制・職員配置)
●住宅型有料老人ホームの場合
人員配置の決まりはありません。ですので、看護師を配置していない施設、日中だけ配置している施設、24時間配置している施設と様々です。
施設に常駐の看護師にサービス提供をしてもらったり、訪問看護サービスを利用するケースなどが考えられます。
<提携病院・協力病院・訪問医の確認>
提携病院・協力病院・訪問医の場所、診療科目、医師・看護師の数、ホームとの連携体制、病院までの送迎(有料・無料・介助)などがどのようになっているかは、重要ですのでしっかり確認しましょう。
また、最近では医療法人が運営してる有料老人ホームがあったり、クリニックが併設の有料老人ホームなどもあります。
<医療ニーズ>
○比較的受入可能なホームが多い医療処置 |
△ホームによって受入可否が分かれる医療処置 |
×受入不能が多い医療処置 |
胃ろう |
点滴 |
人工呼吸器の使用 |
人工肛門 |
経鼻経管栄養 |
気管切開 |
インシュリン注射 |
たん吸引(日中のみ) |
IVH |
膀胱留置カテーテル |
人工透析 |
たん吸引(夜間) |
褥瘡のケア |
終末期 |
感染病 |
在宅酸素 |
認知症(重度) |
ALS(筋委縮性側索硬化症) |
<24時間医療体制>
24時間看護師常駐のホームはかなり少ないです。入居金などが高額なところは24時間看護師常駐というところもありますが、全体的にはかなり少ない印象を受けます。日中のみと24時間看護師常駐の場合で入居者にとってどのような違いがあるかというと、1日に複数回医療行為が必要な方は日中のみの施設だと受け入れが厳しいということです。その中でも特に多く相談を受けるのが、夜間にたん吸引が必要です。
平成24年4月から「社会福祉士及び介護福祉士法」(昭和62年法律第30号)の一部改正により、介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等においては、医療や看護との連携による安全確保が図られていること等、一定の条件の下で『たんの吸引等』の行為を実施できることになりました。しかし、実態としては介護職員がたんの吸引等の行為をおこなっているホームは少ないです。
<認知症対応>
認知症の対応について、提携医療機関や訪問医の先生の専門科目によってケアの幅がかわってきます。(提携医は内科が多い)訪問医の先生が精神科、神経科、神経内科、老年科の専門家の場合は、認知症の専門家なので、薬の調整や症状に応じた対応ができますので手厚い対応が可能となります。ある施設では、提携している訪問医の先生が認知症の専門家なので、他の施設で対応ができず退所した方も受け入れていますという話も聞きます。
ご不明点等ありましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ)03-5201-3645)
次回は有料老人ホーム入門⑱(有料老人ホームの入居までの流れ)です。
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