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介護保険のしくみVol.37(お泊りデイサービス解説と実情)

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~前回~介護保険のしくみVol.36(お手盛り介護の現状について)

<お泊りデイサービスとは>
●概要
お泊りデイサービスとは、日中に介護保険の通所介護(デイサービス)を高齢者が利用し、夜間そのままそこに泊まるサービスのことです。
日中のデイサービスは、介護保険に基づき提供されるサービスのため、職員の基準や設備での基準が定められていますが、お泊りデイは介護保険外で提供されるサービスなので、全国一律の法的基準がありません。ですので、利用料や宿泊室の広さ、防火対策が事業所によってまちまちです。東京都や大阪府では独自の基準を設けており、千葉県や静岡県も基準や指針を設ける予定ですが、まだまだ実情を把握していない自治体も多いのが現状です。

デイサービスの詳細解説⇒介護保険のしくみVol.15(居宅サービス⑥通所介護(デイサービス)“>

●お泊りデイの実態
宿泊料は、1泊あたり数百円から数千円(1600円~3,000円くらいが相場)まで幅があり、デイサービスの部屋で布団を引いて雑魚寝をするようなところからパーテーションを作ってプライバシーの配慮を行うところまで様々です。しっかりとした事業者は独自の基準を作って安全面やプライバシーの配慮を行っているところもある一方で、行政の目が行き届いてないため事故なども報告されているようです。

●お泊りデイが広がった背景
介護保険で宿泊ができる高齢者施設が慢性的に足りないことが原因と考えられます。

特別養護老人ホーム⇒待機者が多数でなかなか入所できない(数年待ちも)。
ショートステイ⇒ほとんどが予約でいっぱいで利用することが難しい。
小規模多機能型居宅介護⇒人員配置や面積の基準が厳しいため、特に都市部では数が足りない。
複合型サービス⇒小規模多機能事業所と同様。

<お泊りデイの良い側面>
お泊まりデイは家族の介護負担を減らすことができるため介護をされている家族にとってはたいへん有用なサービスとなります。

<お泊りデイの問題点>
・安全サービスの基準が施設任せとなっているためドラブルや事故の危険性があります。
・居室の狭さからプライバシー保護が困難です。
・行政が指導できない体制であり、事故などの実態も把握しきれないこともあります。

<お泊りデイに関する規制関係>
●大阪府
いち早く基準を設けたのは大阪府です。
大阪府の独自基準

●東京都
大阪府に続き東京都も基準を設けました。2014年2月15日時点で、届けの件数は419件ということです。
東京都の独自基準

大阪府や東京都は、連続利用上限を30日としたり、人員基準、スタッフの資格、設備要件などを定めています。ただし、運営基準が設けられても、宿泊サービスは介護保険外で施設側が自主的に行っているため、強制力はありません。

<関連ニュース>
・NHK:急増『お泊まりデイサービス~在宅介護の実態~』2012年12月7日
増え続けるお泊まりデイの実態を特集した内容です。

・読売新聞ヨミドクター:「お泊まりデイ」で通所介護施設に3年間連泊も 2014年1月29日
3年以上連泊している方がいる実情や長期の利用者の実態を記載しています。

・東京新聞:増える「お泊まりデイサービス」 人権、安全確保へ独自基準 2014年1月16日
愛知県の事例や広島県の事例、千葉県や静岡県の動向などを紹介しています。

・朝日新聞:(報われぬ国)お泊まりデイ、もうけ優先?救世主? 2014年2月16日
お泊まりデイの元職員のコメントや特養の実情、全国で「茶話(さわ)本舗」として758事業所を展開するお泊まりデイ最大手の日本介護福祉グループの藤田英明会長(38)のコメントが紹介されています。


ご不明点等ありましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ)03-5201-3645)

次回は介護保険のしくみVol.38(地域包括ケアシステムの仕組みと実現)です。

■介護保険関連の記事
介護保険のしくみ(まとめ)
介護保険のしくみVol.1(概要)
介護保険のしくみVol.2(介護保険申請から要介護認定までの流れ
介護保険のしくみVol.3(要支援・要介護のめやすと支給限度額について)
介護保険のしくみVol.4(被保険者の保険料について)
介護保険のしくみVol.5(介護保険料の滞納について)
介護保険のしくみVol.6(上乗せサービス・横出しサービスとは)
介護保険のしくみVol.7(介護保険の単位と地域単価)
介護保険のしくみVol.8(介護サービスの種類)
介護保険のしくみVol.31(要介護・要支援のサービスの違い)
介護保険のしくみVol.32(支給限度額でどのくらいのサービスを利用できるか)
介護保険のしくみVol.33(介護費用の加算・減算とは)
介護保険のしくみVol.34(ケアマネジャー【介護支援専門員】の役割とは)
介護保険のしくみVol.35(介護保険以外のサービスを検討する)

■介護サービスの種類
介護サービスの詳細は以下の各ページを参照下さい。☆がついているサービスは定額料金で利用できるサービスです
居宅サービス 地域密着サービス 施設サービス
訪問介護 定期巡回・随時対応型訪問介護 介護老人福祉施設(特養)
訪問入浴介護 夜間対応型訪問介護 介護老人保健施設
訪問看護 認知症対応型通所介護 介護療養型医療施設
訪問リハビリテーション 小規模多機能型居宅介護 居宅介護支援
居宅療養管理指導 複合型サービス 住宅の改修
通所介護 認知症対応型共同生活介護 福祉用具の購入
通所リバビリテーション 地域密着型特定施設入居者生活介護
短期入所生活介護 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
短期入所療養介護
福祉用具貸与
特定施設入居者生活介護

■高齢者施設の解説
介護保険3施設公的な低額施設・住宅民間運営施設
特別養護老人ホーム養護老人ホームグループホーム
介護老人保健施設軽費老人ホーム(A型・B型)有料老人ホーム
介護療養型医療施設都市型軽費老人ホームサービス付き高齢者向け住宅
ケアハウス東京シニア円滑入居賃貸住宅
シルバーハウジング地域優良賃貸住宅
シニア向けマンション(分譲)

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