~前回~ゼロから始める相続税入門(14)相続税の計算方法(相続税総額と各人の納税額の算定)
本日は相続税入門のちょっとした息抜き記事です。お気軽な気持ちで読んでください。
<相続という名がつく民間資格>
■相続と名がつく資格
相続士、相続プランナー、相続コーディネーター、相続対策専門士、相続診断士、相続カウンセラー、相続コンサルタント、相続支援コンサルタント、相続アドバイザー、相続マイスターなどなど相続と名のつく資格はたくさんあります。
これらの相続○○はすべて民間資格になります。これらの資格は、一見立派な肩書きに見えますが、民間の団体が作った資格に過ぎません。保険の営業マンなどが名刺に記載し相続に詳しいということをアピールするツールになっています。団体によってはしっかりとしたカリキュラムで深い知識を身につけられる資格もあるかと思いますが、特に税務の相談となると有償・無償を問わず税理士の独占業務になりますので、それらの資格を有していても税金の個別相談はできないことになっています。厳密には税理士以外が税務相談を受けることは法律違反です。
■相続に関する相談は誰にするか
では実際に相続の際は誰に相談すれば良いのでしょうか?答えは、簡単です。国家資格である税理士、弁護士、司法書士、行政書士に相談することです。それぞれの資格ごとに業務の分野が決まっています。
<相続に関する国家資格>
■税理士
相続税の申告は税理士にしかできません。ですので、相続税を支払う可能性がある場合は、個人での計算が難しいため、税理士への相談は必須になります。
■弁護士
調停や裁判などの裁判所での手続きになった場合は、弁護士しか代理人になることができません。この場合の裁判とは、相続人同士で遺産分割で争った場合です。相続人の中で一人でも弁護士を雇った場合は、他の相続人も弁護士を雇う必要が生じ、争うほうの争続になり、費用も多く掛かります。
■司法書士
不動産の名義変更(相続登記)は司法書士の仕事になります。ですので相続財産の中に不動産がある場合は、司法書士に依頼することになります。相続税の申告が必要ない場合などは、司法書士がすべての手続きを行う場合もあります。
■行政書士
相続税の申告がなく、相続関係の手続きなどを代行して欲しい場合は行政書士に依頼することができます。
<いつ相談するべきか>
時期 |
相談内容 |
相談先(専門家) |
生前 |
相続対策全般 |
税理士 |
相続対策を含めた資産管理や生活設計 |
税理士 |
|
遺言書の作成 |
公証人(公正証書遺言の場合)、行政書士、弁護士、(税理士) |
|
判断能力が不十分な親族等の後見人選び |
弁護士、行政書士、司法書士、成年後見センター、リーガルサポートなど |
|
相続時 |
財産評価 |
税理士、不動産鑑定士、土地家屋調査士 |
遺産分割の相談・手続き |
行政書士、司法書士、弁護士、(税理士) |
|
遺産分割協議書の作成 |
行政書士、司法書士、弁護士、(税理士) |
|
遺産分割の相談・手続き話し合いに参加してもらう代理人選び |
弁護士、家庭裁判所 |
|
遺産分割トラブルの解決 |
弁護士、家庭裁判所 |
|
相続税の申告・納税 |
相続税の申告・納税手続き |
税理士 |
不動産登記の手続き |
司法書士 |
<まとめ>
最近では資格ビジネスと言って、立派な名前が付いた資格を作り、講座の受講と簡単な試験で資格を付与するようなものが増えています。一般の方から見ると、立派な名前がついているので専門家だと思って信頼するケースも多いかと思います。しかし、民間が作った資格なのでカリキュラムが様々であり、知識の量も様々です。ですので、そういった民間資格ではなく、しっかりとした国家資格を持った専門家に相談することが大事だと思います。
また、これらの民間資格を持っている人でも、併せて国家資格を保有しているのであれば、専門家として特に相続を専門にやっていたり相続の勉強に重点を置いている証になるので、相談する上での判断の指標になると思います。
ご不明点や詳細については、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)
次回はゼロから始める相続税入門(16)小規模宅地等の特例とは(自宅の土地は80%減に)です。
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