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高齢者と税金Vol.7(孫への教育資金が非課税になる贈与税の新制度)

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~前回~高齢者と税金Vol.6(保険金と課税関係)

今回紹介するのは平成25年度税制改正により創設された制度で、孫への教育資金を1,500万円まで非課税で贈与できるというものです。この制度は2013年4月からスタートし、2015年12月までを期限とする時限措置とされています。
制度の概要について以下で簡単に触れてみましょう。

<教育資金贈与に関する非課税制度の概要>
国税庁のHPからほぼそのまま抜粋すると次のようになります。
(参考⇒祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし(PDF/448KB)

2013年4月1日から2015年12月31日までの間に、受贈者(30歳未満の方に限ります)が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(祖父母など)から①信託受益権を付与された場合、②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合又は③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合には、これらの信託受益権又は金銭等の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、金融機関等の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより贈与税が非課税となります。
その後、受贈者が30歳に達するなどにより、教育資金口座に係る契約が終了した場合には、上述の申告書による申告額から教育資金として支払われた額(学校等以外に支払う金銭については、500万円を限度とします。)を控除した残額があるときは、その残額がその契約が終了した日の属する年に贈与があったこととされます。


「直系尊属」とは親子関係でつながっている縦の血縁関係で、父母、祖父母、曽祖父母などのことです。子や孫は「直系卑属」といいます。
したがって親や曽祖父母も上記枠内の「直系尊属」に含まれていますが、実際には祖父母から孫への贈与を想定しています。

文章ではピンときませんので表にまとめてみると次のようになります。

贈与される人30歳未満の“孫”
贈与する人贈与される人の直系尊属(主に祖父母)
贈与の目的教育資金に充てること
贈与の方法 金融機関との一定の契約に基づく
①信託受益権の付与
②銀行預金の預入
③有価証券の購入
非課税限度額1,500万円
期間2013年4月1日~2015年12月31日
必要な手続金融機関等の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出する。


<制度を利用するうえでの注意点>
この制度を利用する場合には、以下の点を気を付けたほうがよいでしょう。

1.非課税の対象となるのは教育資金のみ
教育資金に含まれないものは非課税の対象とはなりません。また、領収書が必要です。
教育資金とは、具体的には以下のもの該当します。

(1)学校等に対して直接支払われる次のような金銭
① 入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費又は入学(園)試験の検定料など
② 学用品の購入費や修学旅行費や学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用な

(2)学校等以外に対して直接支払われる次のような金銭で社会通念上相当と認められるもの。
(a)学習塾や水泳教室などに直接支払われるもの
③ 学習塾、そろばんなどに関する教育の対価や施設の使用料など
④ 水泳、野球などのスポーツやピアノ、絵画その他教養の指導への対価など
⑤ ③の役務の提供又は④の指導で使用する物品の購入に要する金銭

(b) (a)以外(物品の販売店など)に支払われるもの
⑥ ②に充てるための金銭であって、学校等が必要と認めたもの

2.教育資金口座に係る契約が終了したときの残額は贈与となる
上記の概要で記載していますが、1,500万円の枠全額を教育資金贈与として申告したとしても、実際に支払われた教育資金が1,000万円である場合、差額の500万円は通常の贈与となり、贈与税が発生することになります。
したがって限度額一杯に申告すると、教育期間が終了したときに贈与税が発生してしまい、贈与を受けた側に負担がかかってしまう可能性があります。

3.通常の贈与の枠でも実施可能
この制度では教育資金について1,500万円までの贈与は非課税となっていますが、もともと教育費や生活費を必要な都度直接渡す「都度贈与」の場合、贈与税はかかりません。
また、それ以外の資金であっても、年間110万円までの暦年贈与なら非課税とされます。
したがって、非課税の恩恵を受けたいだけならば、この制度を利用する必要はないということです。

この制度を利用する場合、金融機関が管理してくれるので教育資金以外の無駄遣いされるおそれがないこと、最初の手続きをすませてしまえばその後は何もしなくていいので都度贈与や暦年贈与よりも手間がかからないこと等がメリットであるといえます。これらをふまえたうえで実際に制度を利用するかどうか検討するのが良いでしょう。

ご不明点等ありましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ)03-5201-3645)

次回は高齢者と税金Vol.8(バリアフリー改修工事の税制優遇【所得税編】)です。

高齢者と税金シリーズ
高齢者と税金Vol.1(年金受給者の確定申告不要制度)
高齢者と税金Vol.2(年金等に係る所得税の税額計算)
高齢者と税金Vol.3(高齢者を扶養している人が受けられる特例)
高齢者と税金Vol.4(寝たきり・要介護の高齢者と障害者控除)
高齢者と税金Vol.5(介護費用・高齢者施設と医療費控除)
高齢者と税金Vol.6(保険金と課税関係)
高齢者と税金Vol.7(孫への教育資金が非課税になる贈与税の新制度)
高齢者と税金Vol.8(バリアフリー改修工事の税制優遇【所得税編】)
高齢者と税金Vol.9(バリアフリー改修工事の税制優遇【固定資産税編】)
高齢者と税金Vol.10(NISA(少額投資非課税制度)とは?)

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