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~前回~高齢者と税金Vol.8(バリアフリー改修工事の税制優遇【所得税編】)
本日はバリアフリーの改修工事に関わる税金の減額について解説させて頂きます。税制優遇は所得税と固定資産税で受けられます。本日は固定資産税についての解説です。
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<固定資産税の税制優遇>
■制度の概要
住宅のバリアフリー改修を支援するため、バリアフリー改修を行った住宅に対する固定資産税の減額制度が平成19年度から創設されました。
制度の概要は、一定のバリアフリー改修工事を施し、かつ、改修が完了した日から3か月以内に市町村に申告した住宅に限り、改修工事が完了した翌年について、当該住宅にかかる固定資産税額の3分の1を減額するものです。
■制度の内容
対象期間 |
2017年3月31日までの間に一定のバリアフリー改修工事を実施 |
対象者 |
次のいずれかの場合です。 ・65歳以上の方 ・要介護または要支援認定をうけている方 ・障害者の方 |
対象工事 |
次のいずれかの工事です。 ①通路又は出入口の幅を拡張する工事 ②階段の設置又は改良によりその勾配を緩和する工事 ③浴室を改良する工事 ④便所を改良する工事 ⑤手すりを取り付ける工事 ⑥段差を解消する工事 ⑦出入口の戸を改良する工事 ⑧床の材料を滑りにくいものに取り替える工事 |
家屋の適用要件 |
・2007年1月1日より所在する住宅 ・賃貸住宅でない |
工事費用の対象条件 |
・2013/1~2014/3入居:工事費30万円以上 ・2014/4~2017/12入居:工事費50万円以上 ※介護保険や自治体などの補助が出る部分は対象外 自己負担分のみが対象 |
所得条件 |
なし |
必要書類 |
・申告書 ・納税義務者の住民票の写し ・居住者要件に応じた書類 ・改修工事の内容及び費用を確認できる書類 ・補助金等の内容を確認できる書類(補助金等を受けている場合のみ) ・請負契約書 |
手続き |
バリアフリー改修工事の完了後、3か月以内に当該家屋の所在する市区町村の市区町村長に申告 (役所税務課家屋担当の窓口) |
申告出来る人 |
・本人(納税義務者・所有者)、その相続人又は合併により納税義務を承継する法人 ・本人の代理人(委任状が必要) ・本人から依頼された同居親族 |
その他 |
・減額となるのは固定資産税のみ(都市計画税は減額されません) ・この制度による減額は1戸につき1度しか受けることができない ・新築住宅の減額や、耐震改修工事による減額と同時に適用はできない ただし、省エネ改修工事による減額との同時適用は可能 ・土地についての減額はない ・区分所有家屋は、専有部分について行われたバリアフリー改修工事が減額対象となる(共用部分について行われた工事は減額対象とならない) |
■固定資産税の控除額
期間 |
1年 |
減額される範囲 |
床面積100㎡までを減額 |
減額金額 |
固定資産税税額の1/3 |
<固定資産税の計算・金額イメージ>
■固定資産税とは
固定資産税とは、毎年1月1日に土地や家屋といった固定資産を所有している人に市町村が課する税金です。
地方公共団体が自動的に税額を計算し、納税通知書が送られてきます。支払いは市町村ごとに条例で決まっていますが、4期に分けて納付します。
■固定資産税の計算方式
固定資産税評価額(課税標準額) × 1.4%(標準税率) |
■ 固定資産税評価額(課税標準額)とは
固定資産税評価額は、実際の売買価格ではなく、「課税標準額」という評価額を用いて計算します。
・土地の固定資産評価
画地計算法という方式で、主要な選定した街路に路線価を付します。その選定した街路に沿接する宅地から奥行、間口、形状等からみて標準的なものと認められる宅地を選定し、単位地積あたりの評価額が算出されます。この方法に準ずるかたちで個別の土地についても固定資産評価額が決定されます。
・家屋の固定資産評価
再建築価格方式という方式で、評価の時点において、評価の対象となった家屋と同一のものをその場所に新築するものとした場合に必要とされる建築費を求め、その家屋の建築後の経過年数に応じた減価を考慮し、その家屋の価格を求めるものです
■ 住宅用地の固定資産税の軽減
住宅用地については、その税負担を軽減する目的から、課税標準の特例措置が設けられています。
・住宅用地で200㎡以下の部分(小規模宅地)の課税標準は6分の1とする。 ・住宅用地で200m2を超える部分の課税標準は3分の1とする。 |
ご不明点等ありましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ)03-5201-3645)
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