←「遺言入門②(遺言が必要な場合の具体例)」前の記事へ
次の記事へ「遺言入門④(遺言の種類・方式)」→
~前回~遺言入門②(遺言が必要な場合の具体例)
2回にわたり遺言はなぜ必要なのかという解説をしてきました。本日はそもそも遺言とはどういったものかという解説したいと思います。
<法律上の遺言とは>
遺言は、文字から推測すると死に際に言葉で残すようなイメージです。しかし、法律でいう遺言は、必ず書面に書いたものでなければなりません。ですので、本人が自分の声で遺言の内容をテープに吹き込んでも、書面ではないため遺言として法律上の効力は認められません。
法律上の遺言は、以下の事項について意思表示しなければなりません。
①遺産の処分位関係するもの ②婚外子の認知 ③相続人の排除又はその取り消し ④未成年者の後見人の指定 ⑤その他身分関係に関するもので法律に決められた事項 |
また、書面についても、法律上定められた一定の方式でなければいけません。よって世間で言うところの、遺言状や遺書などとは違います。
法律上遺言がこれだけ厳密に定められているのは、遺言はその人が亡くなってはじめて効力が発生するものですので、あらかじめ方式を明確にしておかないと、あとになって問題が起きる危険があるからです。
定められた方式については次回解説します。
<遺言は誰でも書けるのか>
遺言は、満15歳以上であれば、誰でも自由にできることが民法に定められています。
また、遺言は本人の最終意思を確認するものですので、代理になじまない行為なため、未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人が遺言をする場合であっても、その保護者は同意権や取消権を行使することができません。したがって、成年被後見人、被保佐人、被補助人であっても遺言内容を理解し、その結果を理解できる意思能力(「遺言能力」という)があれば遺言をすることができるということです。 ただし、成年被後見人は判断能力を欠く常況にあり、原則遺言能力がありませんので、医師2人以上の立ち会いの下で正常な判断力回復が確認された場合にのみ遺言をすることができます。
<用語解説>
・成年後見制度 認知症や精神障害などで判断能力がない、あるいは弱い人にかわって、補助人または保佐人または成年後見人が法律行為を行なう仕組みです。 ・被補助人 精神上の障害により判断能力が不十分な者で、家庭裁判所から補助開始の審判を受けた人のことです。 ・被保佐人 神上の障害により判断能力が著しく不十分な者で、家庭裁判所から補佐開始の審判を受けた人のことです。 ・成年被後見人 精神上の障害により判断能力を欠く常況にある(常に本人では判断することが出来ない)者で、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた人のことです。 |
ご不明点等ありましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ)03-5201-3645)
次回は遺言入門④(遺言の種類・方式)です。