~前回~ゼロから始める相続税入門(9)相続税がかかるかどうかを基礎控除で確認
<相続の財産評価は>
相続の課税対象となる財産は、原則として財産を取得したときの「時価」で評価することになっています。そのため、遺産相続を正確につかむには、相続が開始した日の評価額を出す必要があります。評価額の出し方は、財産の種類ごとにことなりますが、今回は金融資産について解説したいと思います。
<金融資産とは>
金融資産とは、現金・預金、株式・出資金、株式以外の国債や投資信託などの証券、金融派生商品、保険準備金・年金準備金、ゴルフ場への預託金などの預け金等、対外証券投資を含む対外債権等です。
<金融資産の評価額は>
■現金
現金は、相続時の金額が評価額になります。注意すべき点としては、金庫やタンス、貸金庫なども忘れずに調べることです。
■預貯金
金融機関に預けた預貯金は、預入た時の元本と、相続発生時までに付いた利子の合計が相続時の評価額です。通帳だけではわからないこともあるため、金融機関の残高証明書を取る必要があります。
■上場株式
上場株式は、相続発生時の終値を調べます。ただし、その日を含む月の終値の平均額、もしくはその前月、前々月の終値の平均額のほうが低ければ、そちらを選ぶことができます。(4つで一番低い価額のものを選びます)
■非上場株式
非上場株式の場合は、発行会社の規模や株主の区分に応じた評価額になるので、評価額の算定は難しいです。(後日説明)経営者や役員などが保有する自社株を相続する場合は、評価額が高くなり相続税の負担が増すこともあるのであらかじめ税理士等に相談しておくと良いでしょう。
■投資信託
投資信託の評価額は、相続発生日に解約請求した場合に受け取れる金額になります。
■債券
市場で取引されている国債、地方債、社債などは相続発生日の市場価格に経過利息を加えた額が評価額になります。ただし、取引相場のない債券の場合は、発行時の価格に経過利息を加えた金額が相続時の評価額になります。
<まとめ>
金融資産 |
評価 |
現金 |
手元に保有する残高 |
預貯金 |
相続発生日の残高の合計 |
定期預金 |
残高+既経過利子-源泉徴収税額 |
上場株式 |
以下の4つの中から最も低い株価を選択 ①相続発生日の終値 ②相続発生日を含む月の終値の平均値 ③相続発生日の前月の終値の平均値 ④相続発生日の前々月の終値の平均値 |
非上場株 |
個別に評価。原則的評価法と特例的評価法 |
投資信託 |
相続発生日の解約請求等により支払いを受けることができる金額 |
公社債投信 |
相続発生日の市場価格+既経過利息 |
ご不明点や詳細については、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)
次回は高齢者と税金Vol.12(要介護者の障害者控除~地域ごとの要件の違い~)です。
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