~前回~ゼロから始める相続税入門(12)自宅以外の不動産の評価額
相続税入門(10)~(12)で金融資産の評価、自宅の評価、自宅以外の不動産の評価を見てきましたが、本日も評価の話です。内容はみなし相続財産(保険金)とその他財産です。
<みなし相続財産の評価>
■みなし相続財産とは
みなし相続財産とは、生前には持っていないが、死亡を原因として相続人(遺族)が受け取れる財産をいいます。(死亡保険金・死亡退職金)
みなし相続財産は民法上の相続財産ではありませんが、税法上は死亡を原因として相続人が受け取る財産ですので、相続財産と同じように相続税の対象となります。ただし、受け取り人にとっての固有の財産になるので、遺産分割の対象からは外れます。
■みなし相続財産の評価
みなし相続財産の評価については、「500万円×法定相続人の人数」という非課税額があります。
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保険会社からの死亡生命保険 |
勤務先からの死亡退職金 |
補足説明 |
被相続人が契約し、保険料を負担していた場合で、被相続人が亡くなったあたに支払われる保険金 |
通常の受取人は配偶者。配偶者がいない場合は、子供などの相続人。 |
評価額 |
死亡保険金の合計又は死亡退職金の合計-(法定相続人の人数×500万円) |
■子供や配偶者が被保険者の場合
被相続人が契約者であっても、被保険者が子供や配偶者の場合は当然契約者亡くなっても保険金は受け取れません。このようなケースでは保険契約そのものを相続人が引き継ぐことになるため、相続発生日の解約返戻金相当額がその保険契約の評価額になります。
■死亡保険金の課税関係いろいろ
死亡保険金の場合は契約者、被保険者、受取人の関係により以下のように分岐します。
契約者 | 被保険者 | 受取人 | 税金の種類 | |
(1)契約者=受取人 | 夫 | 妻 | 夫 | ⇒所得税(一時所得) |
(2)契約者=被保険者 | 夫 | 夫 | 妻or子 | ⇒相続税 |
(3)全て異なる | 夫 | 妻 | 子 | ⇒贈与税 |
<その他の財産の評価>
その他の財産で注意しなければならないものをまとめてみました。
ゴルフ会員権・リゾート会員権(取引価格あり) |
取引相場のある場合は、相続発生日の通常の取引価格の70%程度 |
ゴルフ会員権・リゾート会員権(取引価格なし) |
株主でなければ会員になれないものは株式の価額と預託金の金額 |
金・プラチナ |
相続発生日の小売価格 |
絵画・骨董 |
相続発生時における時価 |
自動車 |
中古市場での再調達価格 |
生命保険契約 |
被相続人が契約して保険料を負担していた場合で被保険者が配偶者や子供などの場合、相続発生時に解約したときの解約返戻金相当 |
貸付金・未収入金 |
元本+相続発生日までの既経過利子 |
ご不明点や詳細については、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)
次回はゼロから始める相続税入門(14)相続税の計算方法(相続税総額と各人の納税額の算定)”です。
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