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~前回~自分史についてVol.38(日本自分史センターについて)
自分史とはどのようなものかについてはこちらをご参照ください。→自分史についてVol.1(高齢者と自分史)
本日も前回に引き続き、提携している行政書士であり自分史活用アドバイザーの馬場先生に、体験談を交えた自分史についての記事を書いて頂きました。第39回目は『自分史と著作権』です。
<自分史と著作権>
■はじめに
自分史を本にして残す場合、著作権について考えることは重要です。著作権が厳密に保護されているのは物とは違い、文章や写真など利用しようと思えば気軽にできてしまうという点です。悪意が無くても知らないということで利用してしまうことがほとんどだと思いますので、今回は自分史を書くときに最低限知っておかなくてはならない著作権について解説したいと思います。著作権は音楽やソフトウェアなど多岐にわたりますがここでは自分史に関する部分を中心に見て行きます。
■著作権とは
『著作権』とは自分の作った音楽や絵画、文章などを勝手に利用されないための権利です。販売目的ではなく個人的に作ったものにも『著作権』は発生します。しかも『著作権』は著作物を作った時点で自動的に発生し特に届出などは必要としません。
よくCopyrightとか©といったマークを見かけますが、このマークがあっても無くても法的には『著作権』は発生します。ですので皆さんが書いた自分史は登録などをしなくても書いた時点で保護され、特に何か意思表示をしなくても誰からも利用をされることのない権利を持つのです。この辺りは登録を必要とする『特許権』や『商標件』との大きな違いです。
■罰則と期限
この権利を侵害された場合、民事上損害賠償請求が出来るだけでなく刑法上の罰則もあります。個人の場合(私的使用のための複製を行った者、著作権等の侵害とみなされる行為を行った者を除く)、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金に、法人等の罰則は、罰金刑3億円以下とかなり重いので注意が必要です。『著作権』は財産権ですので不動産や預金のように相続の対象となります。もし自分の親が自分史を遺して亡くなった場合、その『著作権』は相続されます。親の自分史を勝手に利用された場合、相続人である子どもが損害賠償請求を起こすことも出来ます。の『著作権』は永遠に続くわけではなく著作者の死後50年間までが保護の対象となります。この期間を経過すればだれでも自由に利用することが出来ます。
■著作権には例外もある
著作者の権利を守るために著作権法で厳格に保護されていますが、例外もあります。
例えば私的使用であれば著作物を許可無く使用出来ます。家庭内など個人的な限られた範囲内で使用する目的で、使用する本人がコピーする場合は、著作者から許諾を得なくてもよい、という規定があります。
自分史に関しては本として作成すれば自分や家族以外にも見せる可能性がありますので私的使用とは言えない場合がありますので注意が必要です。
また目的に関しても私的使用とは言い切れないところもありますので例外と考えない方がいいかと思います。
もしどうしても他人の著作物を自分史の中に取り入れたい場合は『引用』という形で利用することが出来ます。法律上は「引用の目的上正当な範囲内」と限定されています。自分史を作成するにあたり、引用する著作物の必要性が問われるということです。
また引用であることを明確にするためカギカッコなどで区分する必要があります。
なお、引用の際の出所の明示の仕方ですが、引用部分を明確にした上で、その後に誰のどの著作物であるかを表示するなど、少なくとも引用された著作物の題名や著作者名が明らかにわかるような表示が必要です。
■さいごに
著作権に関しては今回ご紹介したものはほんの一部です。他にも沢山の例外もあり専門家でもかなり意見が分かれることがあります。自分史はあくまでも自分自身を映すものです。そういった自分史特有の目的からいっても基本は人の著作物は利用しないといった姿勢で臨むことが必要だと思います。
自分史は自分の言葉で語ることが一番の価値なのですから。
つるま行政書士事務所
自分史・エンディングノート・遺言・相続
馬場敦先生は町田市鶴間に事務所を構えていて、地域密着、個人密着をモットーに活動されています。法的な遺言書の有効性を高めるために自分史やエンディングノートを活用して、家族に想いを伝えるトータルメモリーサポート事業をおこなっています。主に、自分史・遺言書作成で連携させて頂いております。⇒回顧録チラシ
<自分史の記事一覧>
■Vol.1 高齢者と自分史 ■Vol.2 意外に身近な自分史 ■Vol.3 自分史を書くこと ■Vol.4 8月7日は『自分史の日』~自分史フェスティバル2013~ ■Vol.5 自分史フェスティバル2013を終えて~①展示ブース編~ ■Vol.6 自分史フェスティバル2013を終えて~②ホール公演・セミナー編~ ■Vol.7 自分史の効果・効用 ■Vol.8 自分史活用アドバイザー奮闘記 ■Vol.9 自分史の作り方 ■Vol.10 自分史年表を利用する ■Vol.11 親の自分史・家族史① ■Vol.12 親の自分史・家族史② ■Vol.13 自分史と回想療法 ■Vol.14 自分史とエンディングノート ■Vol.15 自分史活用アドバイザーとは ■Vol.16 自分史活用推進協議会とは ■Vol.17 自分史の歴史 ■Vol.18 自分史活用術 ■Vol.19 自分史の否定的な考え方 ■Vol.20 映画『四十九日のレシピ』からみる自分史 ■Vol.21 なぜ自分史活用アドバイザーになったか ■Vol.22 戦争体験と自分史 ■Vol.23 地域史と自分史 ■Vol.24 自分史の2013年総括 ■Vol.25 自分史のもとになるジブン手帳 ■Vol.26 自分史は実践あるのみ ■Vol.27 自分史関連のサイトの紹介 ■Vol.28 自分史活用アドバイザー認定講座について ■Vol.29 自分史の普及・認知活動 ■Vol.30 自分で書く場合・人に書いてもらう場合 ■Vol.31 コミュニケーションツールとしての自分史活用 ■Vol.32 自分史で本の出版をする ■Vol.33 自分史フェスティバル2014 ■Vol.34 終活における自分史の役割 ■Vol.35 自分史に関連した被害について ■Vol.36 自分史と写真 ■Vol.37 イベント別自分史作成法 |
<ニュース・イベント等>
●テレビ番組 ・NHKのEテレ「団塊スタイル」2013年6月14日金放送:意外な効用!自分史づくり http://www.nhk.or.jp/dankai/bangumi/num062/ ●新聞 ・東京新聞2013年6月12日:お父さんの「自分史」贈ろう 父の日 今年は「モノより思い出」を http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2013061202000156.html ●自分史年表作成サイト ・Histy http://histy.jp/ ●イベント ・自分史フェスティバル2013(東京・両国の江戸東京博物館 2013年8月7日開催) http://www.jibun-shi-festival.net/ ・自分史フェスティバル2014 http://www.jibun-shi-festival.net/ |
<関連商品・書籍>
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(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)