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~前回~自分史についてVol.34(終活における自分史の役割)
自分史とはどのようなものかについてはこちらをご参照ください。→自分史についてVol.1(高齢者と自分史)
本日も前回に引き続き、提携している行政書士であり自分史活用アドバイザーの馬場先生に、体験談を交えた自分史についての記事を書いて頂きました。第35回目は『自分史に関連した被害について』です。
<自分史に関連した被害について>
自分史は体裁に拘ったり、プロのライターを入れたりと本格的に作ろうと思うと大きな金額がかかります。またすぐに製品になるわけではなく、多くの場合手元にまだ自分史が無いのに段階的に費用を支払って行きます。
それだけの費用や工程をかけて出来た自分史は本当に価値のあるものなのですが、大変残念なことにその想いを利用した犯罪がいくつか存在します。
今回はこのような悪質な被害に合わないためにも自分史に関連した被害についてご紹介いたします。自分史に関連しての被害は大きく分けて2つあります。
①自費出版による制作費用をめぐる詐欺の問題 ②自分史を話題にして居座る強引な訪問販売 |
何れにしてもお金のトラブルです。勿論これだけに注意すればいいというわけではありませんが、一応こんな事件があるということを知り被害に合わないよう気を付けてください。
①自費出版による製作費をめぐる詐欺の問題
書店に並ぶ本は出版社が制作費用を負担する『商業出版』または『企画出版』といいますがそれに対し自分史の多くは本を書いた方が自分ですべての制作費用を負担する『自費出版』というかたちをとります。
自費出版での詐欺はどんなものなのでしょうか?
自分が執筆した原稿を褒め称え、契約を結ばせようとするのが自費出版での詐欺の常套手段です。たとえば自分史コンテストなどを開催し入賞者に対して出版を勧めてきます。
また、入賞できなかったとしても出版社から、良い原稿でした。この作品を共同出版で書籍化してみませんか?と連絡をしてきます。そして「あなたの自分史はとても素晴らしいので売れますよ!」とその気にさせ、出版契約を結び制作費用を前払いさせられます。実際には書店に並べられることもなく、「残念ながら売れませんでした。」との言葉で大量の本の在庫を引き取ることになります。
②自分史を話題にして居座る強引な訪問販売
これは特に高齢者を狙った悪質な売りつけ(送り付け)です。また誰でも『自分史』を持っていることを利用している点も自分史関連の犯罪と言えるでしょう。
この商法は、訪問販売であることを明らかにせず高額な自分史の書籍を売りつけるというものです。
役所関係者や遺族会、戦友などを装い高齢者を業者が訪問。取材と称し「遺族のことで話を聞きたい」などと話しこみ、帰り際に突然、領収書を取り出して自分史を集めた書籍の予約金(1万~3万5000円ほど)を請求。話しこんで断りづらくなった高齢者に支払わせています。その後勝手に書籍を送り付け価格8万9250円は代引きで請求してきます。この自分史は自分一人ではなく、歴代首相の紹介や叙勲の説明などとともに、高齢者約300人の自分史が1人1ページずつ掲載されているもので、そこに自分が掲載されているのでこちらも断れなくなり支払ってしまうケースがありました。
<おかしいと思ったらすぐに相談を>
上記の問題のような話があり、少しおかしいかなと思ったらすぐに消費者センターやお住まいの自治体の相談窓口で相談するようにしてください。
このような犯罪は我々のように自分史を提供している側にとっても大きな被害となります。
自分史の作成は詐欺に繋がらなくても、その内容はデリケートなものであり個人情報やプライバシーの問題にも及びます。第3者を交えて自分史を作る場合はまずその方(その会社)との信頼関係を重視してください。そして業者が団体に属しているようであれば事前に団体に確認してみることも必要かと思います。また出来れば実際にそこで自分史を作った方のお話を聞くことが出来れば参考になるかと思います。
私たち自分史活用推進協議会に属する自分史活用アドバイザーは自分史のいい面だけをアピールするだけではなく上記のような被害者が出ることで自分史に対するイメージの低下をなくすために色々な活動も行っています。自分史のことで何かお困りのご相談がありましたらお気軽にお問い合わせください。

つるま行政書士事務所
自分史・エンディングノート・遺言・相続
馬場敦先生は町田市鶴間に事務所を構えていて、地域密着、個人密着をモットーに活動されています。法的な遺言書の有効性を高めるために自分史やエンディングノートを活用して、家族に想いを伝えるトータルメモリーサポート事業をおこなっています。主に、自分史・遺言書作成で連携させて頂いております。⇒回顧録チラシ
<自分史の記事一覧>
■Vol.1 高齢者と自分史 ■Vol.2 意外に身近な自分史 ■Vol.3 自分史を書くこと ■Vol.4 8月7日は『自分史の日』~自分史フェスティバル2013~ ■Vol.5 自分史フェスティバル2013を終えて~①展示ブース編~ ■Vol.6 自分史フェスティバル2013を終えて~②ホール公演・セミナー編~ ■Vol.7 自分史の効果・効用 ■Vol.8 自分史活用アドバイザー奮闘記 ■Vol.9 自分史の作り方 ■Vol.10 自分史年表を利用する ■Vol.11 親の自分史・家族史① ■Vol.12 親の自分史・家族史② ■Vol.13 自分史と回想療法 ■Vol.14 自分史とエンディングノート ■Vol.15 自分史活用アドバイザーとは ■Vol.16 自分史活用推進協議会とは ■Vol.17 自分史の歴史 ■Vol.18 自分史活用術 ■Vol.19 自分史の否定的な考え方 ■Vol.20 映画『四十九日のレシピ』からみる自分史 ■Vol.21 なぜ自分史活用アドバイザーになったか ■Vol.22 戦争体験と自分史 ■Vol.23 地域史と自分史 ■Vol.24 自分史の2013年総括 ■Vol.25 自分史のもとになるジブン手帳 ■Vol.26 自分史は実践あるのみ ■Vol.27 自分史関連のサイトの紹介 ■Vol.28 自分史活用アドバイザー認定講座について ■Vol.29 自分史の普及・認知活動 ■Vol.30 自分で書く場合・人に書いてもらう場合 ■Vol.31 コミュニケーションツールとしての自分史活用 ■Vol.32 自分史についてVol.32(自分史で本の出版をする) |
<ニュース・イベント等>
●テレビ番組 ・NHKのEテレ「団塊スタイル」2013年6月14日金放送:意外な効用!自分史づくり http://www.nhk.or.jp/dankai/bangumi/num062/ ●新聞 ・東京新聞2013年6月12日:お父さんの「自分史」贈ろう 父の日 今年は「モノより思い出」を http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2013061202000156.html ●自分史年表作成サイト ・Histy http://histy.jp/ ●イベント ・自分史フェスティバル2013(東京・両国の江戸東京博物館 2013年8月7日開催) http://www.jibun-shi-festival.net/ ・自分史フェスティバル2014 http://www.jibun-shi-festival.net/ |
<関連商品・書籍>
![自分史作成キット 和装本 自分の歴史を書いてみよう ([バラエティ]) - http://www.horei.co.jp/jibunshi/_src/sc287/8FA495i83C8381815B83W.jpg](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51hT%2BUC7xKL._SL160_.jpg)
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ご不明点や詳細については、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)