本日は、高齢者をねらった様々な悪質商法とその対策について解説いたします。
■悪質商法の種類
①還付金詐欺
【手口】 税務者や区役所などの公共機関を名乗り、医療費や住民税を還付するなどとATMに誘導するものです。携帯電話により、還付手続きを装い、犯人の口座に送金するように指示します。 【対応策】 保険料や医療費の還付がある場合は、還付金通知書が郵送されます。そして還付のための書類に振込先等を記入し、返送することが一般的です。公的機関の職員が還付金受け取りのためにATM操作を行うよう電話をすることはありません。期限があるなどと急かし、考える余地を与えないようにしてきますので、冷静な対処が必要です。 |
②点検商法
【手口】 業者が突然訪問してきて「無料で屋根の点検をします」と言ってきて、点検を頼むと、このままだと雨漏りすると説明され、高額な屋根工事を契約するというケースです。後日断りの電話をしても、もう準備していると言われ仕方なく応諾してしまうケースが多いようです。 【対応策】 見ず知らずの業者が「点検に来た」という場合は注意が必要です。実際に雨漏りになる心配がないにも関わらず、無理やり契約を結ぼうとするケースがあります。点検商法は専門的なものが多く、本当に必要な契約かどうかその場では分からないことがほとんどです。もし点検を頼んでしまっても、すぐには契約せずに、家族や信頼できる周囲の人、消費生活センターなどに相談しましょう。 |
③母さん助けて詐欺(オレオレ詐欺・振り込め詐欺)
【手口】 犯人が息子や孫になりすまして、現金を振り込ませるものです。以前はオレオレ詐欺、振り込め詐欺と呼ばれていましたが、2013年より「母さん助けて詐欺」と呼ばれるようになりました。息子、孫以外にも警察官や銀行員を装うものまでありますので、注意が必要です。 【対応策】 息子、孫からの場合は本人に確認しましょう。本人に確認が取れない場合でもすぐに振込みをせず、他の家族に相談しましょう。また、警察官や銀行員の場合は、口座が悪用されていますなどと言って、通帳を入手して暗証番号を聞き出す手口ですが、警察官や銀行員がそのような対応をすることはありません。冷静な対処が必要です。 |
④送りつけ商法
【手口】 以前に商品購入の申込をしたと思わせるように、消費者を誤認させて商品を購入させる手口です。突然、代引きで送られてくることもあります 【対応策】 注文していない場合は、きっぱりと断りましょう。一方的に送りつけられたら、まずは配送業者に受け取り拒否を申し出てください。商品を受け取ってしまった場合は、業者に引き取り依頼の連絡をした日から1週間、連絡しない場合は、商品送付のあった日から2週間保管すれば処分しても構いません。 |
上記はほんの一部の例です。様々な悪質商法がありますので、冷静な対応をし、困ったときは親しい人や信頼できる人に相談するようにしましょう。
■クリーングオフ制度
クーリング・オフとは、消費者が契約した後で冷静に考え直す時間を与え、一定期間内であれば無条件で契約を解除できる制度です。
この制度は、「契約は守らなければならない」という原則の例外で、クーリング・オフできる取引は法律や約款などに定めがある場合に限ります。
●クーリング・オフできる取引
取引内容 |
適用対象 |
メモ |
期間 |
---|---|---|---|
訪問販売 |
事業者の店舗や営業所以外の場所での原則すべての商品・サービスおよび指定権利(チケット等)の契約 |
- |
8日間 |
電話勧誘販売 |
事業者から電話で勧誘を受けた原則すべての商品・サービスおよび指定権利(チケット等)の契約 |
- |
8日間 |
連鎖販売取引(マルチ商法) |
ほかの人を勧誘して販売組織に加入させると利益が得られると言って商品を買わせたり、サービスを受けさせるなどの金銭的負担をさせる契約 |
店舗での契約を含む |
20日間 |
特定継続的役務提供 |
5万円を超えるエステティックサービス・語学教室・学習塾・家庭教師・パソコン教室・結婚相手紹介サービスを一定期間継続する契約 |
店舗での契約を含む |
8日間 |
業務提供誘引販売取引 |
内職商法(仕事の紹介などの名目で金銭的負担をさせる)による契約 |
店舗での契約を含む |
20日間 |
訪問購入 |
事業者が消費者の自宅等を訪問し、消費者から物品を買い取る契約 |
適用除外品あり |
8日間 |
個別クレジット |
①訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供の契約に伴う個別クレジット契約 ②連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引の契約に伴う個別クレジット契約 |
- |
①8日間 ②20日間 |
生命・損害保険契約 |
店舗外での契約期間1年を超える生命保険・損害保険契約 |
- |
8日間 |
その他 |
①宅地建物取引(店舗外での宅地建物取引業者が売主となる宅地建物取引) ②預託等取引契約(指定商品の3ヶ月以上の預託取引) ③投資顧問契約(金融商品取引業者との投資顧問契約) ④不動産特定共同事業契約 ⑤ゴルフ会員権契約(50万円以上のゴルフ会員権の新規販売契約) ⑥冠婚葬祭互助会契約(冠婚葬祭互助会の入会契約,業界標準約款で規定) ⑦有料老人ホーム入居契約(入居一時金から省令で定める金額を控除した残額の返還) |
②~⑦は店舗での契約を含む |
①8日間 ②14日間 ③10日間 ④8日間 ⑤8日間 ⑥8日間 ⑦3ヵ月 |
●クーリングオフできないもの
・健康食品や化粧品などの政令指定消耗品*をすでに開封したり、使用している場合 ・自動車(リースを含む) ・電気、都市ガス、葬儀など ・3,000円未満の現金取引 |
政令指定消耗品とは健康食品、不織布および幅13cm以上の織物、生理用品等、医薬品を除く防虫剤等、化粧品や合成洗剤等、履物、壁紙、配置薬等です。
ご不明点や詳細については、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)
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