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ぷちコラム⑤スーツも資格も経費!?サラリーマンの特定支出控除とは

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~前回~ぷちコラム④高齢者住宅・施設入居にあたっての準備(荷物整理処分・断捨離)

たまには、税理士としてのコラムを書きたいと思います。所得税の申告シーズンなので今年トピックのサラリーマンの特定支出控除の解説をします。

<はじめに>
サラリーマンは、実際に必要経費にあたるものでも経費にできず、個人事業主をいいなぁと思った方も多いと思います。そのようなサラリーマンの人のために特定支出控除という制度があり、実際にかかったけれど会社に請求できない必要経費を、所得の計算に含めることができます。ベンチャーなど伸び盛りの企業に勤め、仕事の経費を自分で捻出している場合などはとても有効的です。また、働きながら専門学校に通い税理士資格や公認会計士資格の取得を目指している人にも有効的です。

<給与所得の計算>
そもそも給与所得の計算がわからない方もいらっしゃると思いますので、給与所得の解説から始めます。そもそも給与所得とは、勤務先から受ける給料、賞与などの所得をいいます。
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A.給与所得計算
給料総収入(額面金額)-給与所得控除=給与所得

→給与所得控除額はこれは、個人事業主でいうところの「必要経費」のようなものです。普通、必要経費の額は各個人によって異なるはずですが、この給与所得控除額は一律に決めれています。

年間給与収入 給与所得控除
180万円以下 収入×40%
(65万円に満たない場合には65万円)
180万円超360万円以下 収入×30%+18万円
360万円超660万円以下 収入×20%+54万円
660万円超1000万円以下 収入×10%+120万円
1000万円超1500万円以下 収入×5%+170万円
1500万円超 245万円(上限)

B.課税所得の計算
給与所得-所得控除(扶養控除など)=課税所得

C.所得税額
課税所得に税率をかけて所得税額算定します。

● 補足(年末調整)
算出した所得税額が、既に給料から天引きされている税金(源泉徴収)よりも少なければ、「年末調整還付金」として天引済みの所得税の一部が還付されることになります。

<給与所得の特定支出控除とは>
■特定支出控除とは
特定支出控除は、特定支出の額の合計額が給与所得控除額の2分の1(最高125 万円)を超える場合、その超える部分について、確定申告を通じて給与所得の金額の計算上控除することができる制度です。

■特定支出とは
この特定支出とは、給与所得者が支出する次に掲げる支出のうち一定のものです。
項 目 内 容
① 通勤費 通勤のために必要な交通機関の利用等のための支出。
② 転居費 転任に伴う転居のための支出。
③ 研修費 職務の遂行に直接必要な知識等を習得するための研修に要する支出。
④ 資格取得費 資格を取得するための支出でその者の職務に直接必要であるもの。平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。
⑤ 帰宅旅費 転任に伴い生計を一にする配偶者との別居を常況とすることとなった場合等において、勤務する場所と配偶者が居住する場所等との間の旅行に要する支出。
⑥ 勤務必要経費※上限 65 万円
(図書費・衣服費・ 交際費等)
職務に関連する図書を購入するための支出・勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための支出・給与等の支払者の得意先、仕入先などの職務上関係のある方に対する接待等のための支出

■注意点は
・会社から支給される支出
定期代や研修費として会社から支給される支出については特定支出にはなりません。

・必要な手続き等
まずは領収書の添付は必須です。さらに大事なのは、会社から「仕事で直接必要」という証明書を発行してもらわなければなりません。

■計算例
前提条件:年収450万円、特定支出100万円(スーツ代、資格試験の学校代、図書代金等)
給与額控除(上記表参照)=450万円×20%+54万円=144万円
給与税額控除の1/2=144万円×1/2=72万円
特定支出控除=100万円-72万円=28万円
得する分=28万円×税率10%(10%と仮定)=2.8万円→これだけ還ってくる

<国税庁のページリンク>

給与所得の特定支出控除
給与所得控除
給与所得の特定支出控除の改正の概要

ご不明点等ありましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ)03-5201-3645)

次回はぷちコラム⑥映画「和ちゃんとオレ」から息子介護について考えるです。

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