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本日はちょっとした知恵袋のようなプチ情報を書かせてもらいます。
先日、健康心理士兼サプリメント管理士の方とお話をする機会があり、介護施設での健康指導によるADL※向上の話や食事管理など色々な事を教えて頂きました。
その中で、認知症予防の話になり、こんな話をうかがいました。
『認知症予防にイチョウの葉が効果的って知ってますか?』
私は全く知らなかったのですが、イチョウの葉エキスは脳の血行改善効果があるということです。
ヨーロッパ諸国では医薬品として認可がされていますが、日本ではサプリメント扱いとなっています。
そのため、ヨーロッパ諸国では病院等で処方されて普及していますが、日本ではあまり普及していないそうです。
認知症予防という分野にはとても興味があったので、色々と調べて見ました。
※ADL(Activities of Daily Living)は、一般的には『日常生活動作』と訳されます。
日常生活を営む上で、普通におこなっている行為、行動のことです。具体的には、食事や排泄、整容、移動、入浴等の基本的な行動をさします。
<効果・機能>
イチョウの葉エキスの主な効果・効能は血流改善です。血行が悪いために起きてしまう様々症状(脳卒中や心筋梗塞、脳梗塞)にイチョウの葉エキスは効果を発揮します。特に脳や毛細血管の血行が大変良くなるため認知症にも効果があるとされています。
<有効成分>
イチョウの葉エキスの主要成分はフラボノイドといい、植物に含まれる色素成分の総称のことです。
イチョウの葉エキスのフラボノイドの中には、イチョウの葉にしか含まれない特殊な二重フラボンが6種類も含まれています。
このフラボノイド「二重フラボン」には、血管(特に毛細血管)を拡張し血行を促進させる機能の他、脳動脈、心臓の血流を増加させ、また血管自体の硬化を防ぐ機能が発見されています。
つまり血液自体をきれいにする作用(血糖値の正常化、活性酸素の除去)と、身体の血管を丈夫にする作用(細部の毛細血管にいたるまで)があるということです。
またイチョウの葉エキスにはこの成分の他に、もうひとつ重要な成分があります。それは、ギンコライドA、B、C、Jとピロパライドの2つの成分です。この成分は、血小板凝集の阻害、血栓形成の阻害、喘息関連、アレルギー症等に効果があります。
<実験結果>
イチョウの葉に関する研究は1950年代から行われ、400を超える研究論文が発表され、信頼できる臨床実験は50以上行われています。
●ドイツ
・イチョウの葉エキスを摂取した1時間後には被験者の毛細血管の血流が57%増加。
・記憶力の減退にほぼ4年間苦しんできた平均67歳の患者200名を対象。イチョウの葉エキスを3ヶ月間摂りつづけた結果、71%の人の症状が改善。プラシーボでは32%しか改善は見られなかった。
(プラシーボとは、薬の成分の入っていないものを薬として与えること。これを本物の薬と信じ込むことにより何らかの改善がみられることがあり、これをプラシーボ効果という。詳細はこちら)
・ドイツ国内の41の研究センターで222名の軽度から中度のアルツハイマー病タイプの痴呆症患者と、何度も軽い脳卒中を経験したことによる痴呆症患者にイチョウの葉エキスを与えた。6ヶ月間、1日あたり240mgのイチョウの葉エキスを毎日2回食事前に摂取。アルツハイマータイプの痴呆症にも、脳循環不全タイプの痴呆症にも、明らかに改善が見られた。改善の程度はプラシーボを与えた比較対照群に対して「記憶力と注意機能」が約3倍も改善された。
●アメリカ
60歳以上の健常者(認知症などのない人)262人を対象として、180mgのイチョウの葉エキスを6週間投与したところ、記憶力や認知機能の改善を認めた。
<副作用と安全性>
イチョウの葉にはギンコール酸というアレルギー物質が含まれています。
イチョウの葉のサプリメントは必ずギンコール酸が除去されているものを選ばないと、皮膚炎や腹痛などのアレルギー症状の副作用が出る場合があります。
日本では、イチョウの葉はサプリメント扱いのため、ギンコール酸の除去義務はないため、ギンコール酸除去を明示しているものを選ぶ必要があります。
また、イチョウの葉と薬の併用は注意が必要です。特にワルファリンなどの抗血栓剤と併用する場合は必ず医師に相談してください。血液が止まりにくくなることがあります。
その他、不測の被害を避けるため、実際に使用をする際には予め専門家等にご相談ください。
<まとめ>
イチョウの葉エキスには、認知症だけなく、脳卒中や心筋梗塞、脳梗塞などの予防に役立つ効果があるとされています。安全性がしっかり確保されていれば、とても効果の高いモノといえるため、しっかりとした理解と適切なモノの普及がなされれば、高齢化社会にとって、とても有効なものになるのではないでしょうか。

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<おまけ>
イチョウは英語でginkgoと書きます。これは日本語を由来としているそうです。
江戸時代、ケンペルという人が著作で日本の植物を紹介した際、銀杏(イチョウ)をギンキョウと読んでGinkyoと記載し、それが製本の際にGinkgoと誤植され、そのまま今日に至っているとのこと。詳細はこちら。
日本由来の名前のものが、巡り巡って海外で価値を見出されたと思うと面白いですね。
<参照元サイト>
●サプリメントラボ
●凄いパワーを秘めたイチョウ葉エキス
●イチョウ葉エキスお役立ち情報
ご不明点等ございましたら、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください
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