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年金のお話(6)年金はいつからもらえるのか

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~前回~年金のお話(5)国民年金の保険料の免除

今回はまた高齢者住宅から少し離れて年金のお話です。

今回のテーマは年金をもらえるのは何歳からか?についてです。
今年(2013年)から年金の支給開始年齢が60歳からではなくなるとニュースで取り上げられ、目にした方も多いかと思います。
昔の年金法では、原則として、男子は60歳、女子は55歳から年金を受給できました。その後、数度の改正を経て、年金の受給開始年齢は男女ともに制度上は65歳に引き上げられましたが、改正した次の年から直ちに支給年齢を引上げてしまうと60歳から年金を受給できるものと期待していた年金加入者側に混乱を招いてしまいます。
そこで、実際には年金の支給開始年齢の引き上げは加入者の生年月日ごとに段階的に行われています。

では具体的な支給開始年齢は何歳なのか?
以下で加入者の生年月日ごとに記載していきますので、ご参照ください。
なお、年金を受給するためには【保険料納付済期間を満たしている】といった受給のための要件が必要となりますが、今回はその他の要件は省略し、年齢のみを見ていくこととします。

<国民年金-老齢基礎年金の支給>
国民年金における「老齢基礎年金」は、いわゆる公的年金の1階部分に相当する年金です。
老齢基礎年金は、その他の要件を満たしていれば、原則として65歳に達した日の属する月の翌月から受給することが可能です。なお、実際の支払は2月、4月、6月、8月、10月、および12月といった偶数月となります(国民年金保険法18条)。

<厚生年金-老齢厚生年金の支給>
老齢厚生年金には、①老齢基礎年金に上乗せして65歳から支給される老齢厚生年金と、②60歳から65歳に達するまでの間支給される老齢厚生年金があります。②の老齢厚生年金は、「特別支給の老齢厚生年金」と呼ばれます。

生年月日ごとに支給開始年齢が異なるのが「特別支給の老齢厚生年金」です。

<特別支給の老齢厚生年金>
老齢厚生年金は①報酬比例部分②定額部分で構成されます。
その他に加給年金が上乗せされることもありますが、支給開始は定額部分と同じなのでここでは省略します。
それぞれの支給開始年齢は以下のようになります。

(i)昭和16年4月1日以前に生まれた男性の受給開始年齢
報酬比例部分、定額部分は全て60歳から支給されます。

生年月日報酬比例部分定額部分
~昭和16年4月1日60歳60歳

(ii)昭和16年4月2日~昭和24年4月1日の間に生まれた男性の受給開始年齢
報酬比例部分は60歳からですが、定額部分は段階的に先送りになりました。
生年月日報酬比例部分定額部分
昭和16年4月2日~昭和18年4月1日60歳61歳
昭和18年4月2日~昭和20年4月1日62歳
昭和20年4月2日~昭和22年4月1日63歳
昭和22年4月2日~昭和24年4月1日64歳

(iii)昭和24年4月2日~昭和28年4月1日の間に生まれた男性の受給開始年齢
定額部分の支給がなくなり、報酬比例部分のみが60歳からの支給となります。

生年月日報酬比例部分定額部分
昭和24年4月2日~昭和28年4月1日60歳

(iv)昭和28年4月2日~昭和36年4月1日の間に生まれた男性の受給開始年齢
この世代から年金の支給開始年齢が引き上げられます。
年金支給引き上げで報道されるのは昭和28年4月2日~の世代です。
生年月日報酬比例部分定額部分
昭和28年4月2日~昭和30年4月1日61歳
昭和30年4月2日~昭和32年4月1日62歳
昭和32年4月2日~昭和34年4月1日63歳
昭和34年4月2日~昭和36年4月1日64歳
昭和28年4月2日~12月31日世代の場合、年金の支給開始は昭和89年=平成26年となります。

(v)昭和36年4月2日以後に生まれた男性の受給開始年齢
特別支給の老齢厚生年金は支給されません
生年月日報酬比例部分定額部分
昭和36年4月2日~

(vi)女性の受給開始年齢
女性についても同様に支給開始年齢の引き上げが行われていますが、
男性とは5年ズレています。

内容は男性と同様なので、まとめて表にします。
生年月日報酬比例部分定額部分
~昭和21年4月1日60歳60歳
昭和21年4月2日~昭和23年4月1日61歳
昭和23年4月2日~昭和25年4月1日62歳
昭和25年4月2日~昭和27年4月1日63歳
昭和27年4月2日~昭和29年4月1日64歳
昭和29年4月2日~昭和33年4月1日
昭和33年4月2日~昭和35年4月1日61歳
昭和35年4月2日~昭和37年4月1日62歳
昭和37年4月2日~昭和39年4月1日63歳
昭和39年4月2日~昭和41年4月1日64歳
昭和41年4月2日~

女性の場合、今年から年金が支給されるのは昭和28年世代です。
女性については年金支給開始はあと5年ほどの間は60歳であり、今年から開始の世代は一定年齢に達すれば定額部分も支給されます。

最終的に全ての世代の年金支給開始が65歳となるのは、平成43年となります。

<補足>
ここまでの記載はあくまで2013年6月時点の年金法に基づいた内容であることをご了承ください。
ちょうどこの記事を書いているのと同時期に、さらに支給開始年齢を67歳~68歳に引き上げることが検討されていることが報道されました。
ですので、将来的に年金の支給開始年齢がさらに引き上げられ、この記事の内容が早々に陳腐化する可能性もあります。
あくまでも参考情報としてご利用ください。

次回は年金のお話(7)年金を早くもらうには(支給の繰上げ)です。

~過去の年金のお話~
(1)年金の仕組み
(2)保険給付の種類①国民年金
(2)保険給付の種類②厚生年金
(3)厚生年金保険の適用事業所と被保険者
(4)保険料はいくら支払うのか。
(5)国民年金の保険料の免除

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コメント

  1. 27年生まれで4月で64歳になります。一部分は64歳からもらえるのですか?その部分の支給額はずっと変わらないですか?

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