~前回~年金のお話(1)年金の仕組み
サ高住から少し離れて、年金のお話です。
年金と聞いて通常思い浮かぶものといえば、一定の年齢に達したときから支給される「老齢年金」ですが、それ以外のときにも給付を受けられる場合があります。
今回は各年金からどのような支給を受けられるのかについて、簡単にあげていきます。
全ての給付を挙げると少し長くなるので、今回は年金の1階部分、国民年金のみとしました。
説明内容については、わかりやすさ重視でかなりの部分を省略していることをご了承ください。
<国民年金の給付>
1階部分の年金として受けられる給付には以下のものがあります。
1.老齢基礎年金
いわゆる「年金」です。
原則として年金保険料を25年以上納付した被保険者に対し、65歳から支給されます。
なお25年はあくまで原則であり、保険料納付済期間以外の合算対象期間についても細かくされていますが、今回は割愛します。
2.障害基礎年金
年金加入中に発生した病気やケガのため、日常生活に支障が出るようになり、また十分に働けない状態となることにより本人の所得がなくなったり減少することが考えられます。このような所得の減少に対する保障とその家族の生活安定をはかるために支給される年金です。
(1)初診日において被保険者であり、(2)障害認定日において障害等級1級または2級の状態で、(3)保険料について初診日の前々月までの1年間に滞納がない、という要件を満たした場合に、支給を受けることができます。
(実際の要件はもう少し細かいですが、ここでは省略します)
3.遺族基礎年金
死亡した夫によって生計を維持されていた「子のある妻」、または「子」に対して生活保障の趣旨で支給される年金です。
(1)亡くなられた方が年金受給前の場合、障害基礎年金の要件(3)と同様の要件が要求されます。
(2)亡くなられた方が年金受給者の場合、保険料納付要件は特に求められません。
また、子の要件として
(1)18歳になって最初の3月31日までにある子で、現に婚姻していない
(2)20歳未満であって障害等級1級または2級の状態にある子で、現に婚姻していない
のいずれかを満たす必要があります。
※平成26年4月から夫にも支給されるようになります。
4.第1号被保険者のみの給付
第1号被保険者とは、第2号被保険者(サラリーマンや公務員等。2階部分を受けられる人)及び第3号被保険者(第2号被保険者の配偶者)以外の被保険者です。主に自営業の人が挙げられます。
第1号被保険者に独自の給付として、以下のものがあります。
・付加年金
老齢基礎年金にあわせて支給される上乗せ給付です。
支給を受けるには、月額400円の付加年金保険料を納付する必要があります。
・寡婦年金
第1号被保険者であった夫の掛けた保険料の掛捨て防止のための年金です。
保険料納付期間が25年以上ありながら老齢基礎年金、障害基礎年金の支給を受けていない夫が亡くなった場合に、婚姻関係が10年以上継続している65歳未満の妻が受給できます。ただし支給が開始されるのは妻が60歳に達してからです。
なお、「妻」と「配偶者」という記載はあえて区別しています。「配偶者」が対象の給付は夫でも妻でも受給できますが、「妻」が対象の給付は夫は受給できません。
・死亡一時金
寡婦年金と同様に、掛捨て防止の趣旨の一時金です。
遺族基礎年金を受けられる者がいない場合に、生計を同じくしていた親族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹)が受給できます。
寡婦年金を受給できる場合は、死亡一時金と寡婦年金いずれかの選択になります。
・脱退一時金
同様に掛捨て防止のための一時金です。
短期在留外国人が帰国した場合に支給されます。
なお、国民年金法15条の給付としては、脱退一時金は記載されていません。
国民年金の給付は以上です。
厚生年金の給付については次回に記載します。
次回は年金のお話(2)保険給付の種類②厚生年金です。
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27年生まれで4月で64歳になります。一部分は64歳からもらえるのですか?その部分の支給額はずっと変わらないですか?