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このカテゴリーでは年金についての情報を整理しています。
今回は国民年金の保険料の納付額を少なくする方法についてです。
先に概要を書いてしまうと、今回解説するのは国民年金の保険料について2年分前払すればその分納付総額が安くなるという制度です。
この制度は2014年の4月から始まりました。
ただ、申込期限が2月末日なので、今年分は気づいたときには終わっていたということもあるかもしれません。
なので来年に向けて、今回こそは申込を忘れないぞという意識を喚起することがこの記事の趣旨となります。今年申込した場合の社会保険料控除の取扱いについても記載しています。
<国民年金保険料を減らす方法>
1.対象者
そもそも今回の記事の対象となるのは誰かですが、これは国民年金の第1号被保険者です。国民年金の被保険者には第1号、第2号、第3号という種類があり、第2号被保険者は厚生年金や共済年金などの「被用者年金」の加入者で、第3号被保険者は「第2号被保険者の配偶者」です。それ以外の人が国民年金の第1号被保険者となります。該当するのは主に自営業の人です。
被保険者についての詳細はこちらの記事をご参照ください⇒年金のお話(3)被保険者②国民年金
2.保険料の2年前納
(1)概要国民年金の2年前納は2年分の保険料を「口座振替」でまとめて納付することにより保険料の割引を受けられる制度です。
納付期間は2年に限定されるわけではなく「6ヶ月前納」や「1年前納」を選択することもできますが、どういう計算をしているのか割引額は2年とは大きく差があります。
平成26年度の場合の保険料は以下のようになっています。
6ヶ月前納 | 1年前納 | 2年前納 | |
---|---|---|---|
平成26年度 | 90,460円 (1,040円) |
179,160円 (3,840円) |
355,280円 (14,800円) |
()内は毎月納める場合と比較した割引額です。どれが一番得かは明らかだと思います。
平成27年度の前納額はまだ公表されていないので省略します。
参考⇒平成26年度における国民年金保険料の前納額について
(2)手続
2年前納には手続きが必要です。
これについては日本年金機構のHPを見たほうが早いです⇒平成26年4月から国民年金保険料の「2年前納」が始まりました
一応ここにも手続きを転記しておきます。
・申込期限は2月末日
・「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書兼国民年金保険料口座振替依頼書」に必要事項を記入の上、預貯金口座をお持ちの金融機関(郵便局を含む)の窓口、または年金事務所(郵送も可)へ提出する
・基礎年金番号の記入が必要なので、年金手帳や納付書で基礎年金番号を確認しておく
(3)社会保険料控除の取り扱い
所得税の申告の際、その年に納付した社会保険料の額は所得控除の対象となります。国民年金の保険料もこの社会保険料に含まれています。
ただ、国民年金保険料を2年前納すると、納付期間が申告期間を跨ることになります。
この場合は次のいずれかを選択して申告することになります。
①全額を納めた年に控除する
②各年分の保険料に相当する額を各年に控除する
平成26年4月~平成28年3月の2年分(355,280円)を前納した場合について、
①を選択した場合、国民年金に係る社会保険料控除は次のようになります。
平成26年 355,280円
平成27年 0円
平成28年 0円
②を選択した場合、国民年金に係る社会保険料控除は次のようになります。
平成26年 133,230円(355,280円×9か月÷24か月)
平成27年 177,640円(355,280円×12ヵ月÷24か月)
平成28年 44,410円(355,280円×3ヶ月÷24か月)
(4)2年前納のデメリット
2年前納を行う場合のデメリットとして、保険料納付後、ケガをするなどして保険料免除の要件に該当しても、納付済期間については免除を受けることができないという点があげられます。
とはいえ、基本的にはデメリットよりメリットの大きい制度だと言えるでしょう。
3.国民年金の保険料の免除
収入の減少や失業等により保険料を納めることが難しい場合は、保険料の免除を受けることができます。詳細はこちらをご参照ください。⇒年金のお話(5)国民年金の保険料の免除
目安としては以下のようになります。
1.全額免除
前年所得<(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
2.4分の3免除
前年所得<78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
3.半額免除
前年所得<118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4.4分の1免除
前年所得<158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
27年生まれで4月で64歳になります。一部分は64歳からもらえるのですか?その部分の支給額はずっと変わらないですか?