~前回~認知症の基礎知識Vol.3(脳血管障害型認知症の特徴)
認知症を引き起こす病気はたくさんあります。
しかし、現在見られる認知症のほとんどは[アルツハイマー型][脳血管障害型][レビー小体型]のどれかに該当します。
今回は[レビー小体型]の認知症について解説いたします。
<レビー小体型認知症とは>
●レビー小体型認知症とは
レビー小体病(Dementia with Lewy bodies)はアルツハイマー病に次いで多い認知症の原因病です。認知症全体の約2割を占めるといわれるほど比較的頻度の高い痴呆性疾患であり、パーキンソン病と同じような症状(歩行が不安定、体が固まるなど)が出ます。また、「日内変動」という1日の間の変化と「日間変動」という月や単位での変動があり、表れ方に個人差があります。
●原因
原因は大脳皮質の神経細胞に「レビー小体」という特殊な構造物が出現することによって起こります。
なお「レビー小体」という名前は、この構造物を発見した神経学者フレデリック・レビー氏を由来としています。
●特徴とは
レビー小体型認知症の最大の特徴は、初期に幻視(赤ちゃんや子供などの人や、犬や猫の動物など)があったり、錯視が起こることです。幻視がリアルなので怯えて妄想液になったり、興奮して攻撃的になることもあります。また睡眠障害もあり、これらの症状のため精神科にかかることあります。
●介護面では
レビー小体型認知症は、介護者の関わり方次第で症状に悪影響を与えたり、落ち着いたりするといわれます。代表的な3つの症状(幻視、睡眠障害、歩行困難)がありますが、いずれも介護者は落ち着いて優しく対応することが大切です。
●その他
運動能力の低下が早く、アルツハイマー型認知症や脳血管型認知症と比べると、10倍も寝たきりになるスピードが早いというデータがあります。
<レビー小体型認知症の過程>
時期 |
症状 |
詳細 |
初期 |
リアルな幻視 |
リビングで子供が走っている、死んだ母親がベッドに入ってくるなどの幻視や、樹木が人に見えるなどの錯視をみる |
中期 |
歩行障害や動作の遅れ |
歩きにくい、動きが遅い、手が不器用になる、涎が垂れる |
記憶障害 |
物忘れ症状などアルツハイマー病に似た症状があらわれる |
|
後期 |
パーキンソン病症状 |
寝たきりになるまでが早い |
<レビー小体型認知症の予防>
●予防
レビー小体型認知症の脳には「レビー小体」という組織が多く見られます。
この「レビー小体」は色々な症状の要因とされていますが、なぜ出来るのかについてはまだ解明されていません。
ですので予防する方法も分かっていません。
●治療
アルツハイマー型と同様に、根本的な治療方法はないのですが、症状を緩和させることは出来ます。
主な治療方法は、薬物療法で、その人その人の症状等で種類や量等が異なってくるので、患者の様子を見ながら投与していく形となります。レビー小体型認知症は、症状が悪くなると介護者の負担も増えるので、早めに適した治療を受けて、進行をとどまらせることが重要です。
ご不明点や詳細については、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)
次回は認知症の基礎知識Vol.5(若年性認知症の特徴)です。
関連記事
●ぷちコラム⑥映画「和ちゃんとオレ」から息子介護について考える ●知恵袋⑬介護で知っておきたい医療関連用語集 ●知恵袋⑭介護で知っておきたいお薬一覧” ●高齢者住宅・施設の解説⑨グループホーム ●介護保険のしくみVol.26(地域密着サービス⑥認知症対応型共同生活介護[グループホーム]) ●知恵袋① 認知症予防とイチョウの葉エキス ●サービス付き高齢者向け住宅入門⑯(サ高住と認知症) |