~前回~認知症の基礎知識Vol.14(認知症の方への接し方)
認知症によって理解力が低下してくると、会話が少なくなってきます。そのようなときは、話題を「今」ではなく、「過去」にし、昔の体験など話すことが、認知症にとって良い効果が発揮されます。
<回想法とは>
回想法とは、心理療法の一種で、過去の体験などを話すことで脳が刺激され本人が癒される療法です。回想法には、脳を活性化させ、認知症の効果を遅らせる効果が認められています。楽しんで出来る方法なので、家庭でも積極的に取り組むとよいでしょう。
<回想法の取り組み方>
回想法には介護施設などで専門家の指導を受けながらグループで行う方法と、個人で行う方法があります。家庭で行う場合でも特別な知識は必要なく、思い出の品や、昔の写真、若いころに流行していた音楽など、過去を思い出しやすくするための道具を用意し、問いかけをしながら認知症の方のお話を引き出します。
<回想法のコツ>
①具体的な質問を
回想法をする上で、質問の仕方はとても大事です。質問の仕方があいまいだと、なにを聞かれているのかわからないこともあるので、わかりやすい質問をするようにしましょう。
例)
×子供のときの思い出を話して。
○小学校のときは、なんの勉強が好きだった?
②写真や思い出の品を見ながら話す
写真や思い出の品は過去のことを思い出すきっかけになりますし、話題を広げやすくなります。
例)
この写真で、おじいちゃんの隣にすわっているこの人って誰?
③話を強制しない
中には思い出したくないということもあります。そういった場合は無理に話を聞こうとするのはやめましょう。
④間違いを訂正しない
大事なことは、事実を正確に思い出すことではなく、記憶をたどることです。ですので、事実と違うことがあっても訂正せずに聞きましょう。
⑤きっかけとなるもの
・アルバム
・以前使っていた生活用品
・古い本や雑誌
・仕事道具
・昔の有名人
・若い頃の映画、音楽
・よく食べた食べ物
・古いハガキ、年賀状
ご不明点や詳細については、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)
次回は認知症の基礎知識Vol.16(映画で学ぶ認知症)です。
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