←「認知症の基礎知識Vol.9(認知症の進み方と介護のポイント)」前の記事へ
次の記事へ「認知症の基礎知識Vol.11(認知症サポーターキャラバンとは)」→
~前回~認知症の基礎知識Vol.9(認知症の進み方と介護のポイント)
<認知症の症状>
認知症の症状では、誰にでも共通の「中核症状」と個人差のある「周辺症状」に分けられます。中核症状は5つの種類があり、周辺症状の出方は疾患、性格、生い立ち、現在の環境などで個人差があります。
●5つの中核症状
①記憶障害 ②見当識障害 ③理解、判断力の障害 ④実行機能障害 ⑤その場の空気が読めない |
●周辺症状の例
・食べたことを忘れてしまう ・なんでも口にいれてしまう ・夜眠れない ・夜中に起きて騒ぐ ・着替えを嫌がる ・入浴を嫌がる ・嫉妬を訴える ・お金が盗まれたと主張する ・介護を拒否する ・突然、大声を出す ・介護を拒否する ・排泄の失敗を繰り返す ・目を離すといなくなる |
<中核症状の特徴>
①記憶障害
多くの認知症は記憶障害や見当障害から始まります。はじめは最近のことが思い出せなくなりますが、考えて思い出せる場合は老化なので心配する必要はありません。最近のことが思い出せなくても、昔のことはよく覚えていますが、進行にするにつれ徐々に忘れていきます。
②見当識障害
時間や場所など自分がいる場所を把握する見当識も徐々に失われていきます。はじめは時間がわからなくなり、進行すると季節や自分の年齢などもわからなくなります。
③理解、判断力の障害
考えるスピードが遅くなったり、2つ以上のことをこなせなかったり、危険に鈍感になります。
④実行機能障害
段取りを組み、実行することができなくなります。ひとつひとつの動作はできるので、サポートする方は、適切な声かけが大事になります。
⑤その場の空気が読めない
周囲の状況の判断ができないため、突拍子のないリアクションをすることがあります。
●介護者が家族の認知症を受け入れるまでのステップ
家族に認知症が発覚した場合は、誰もがとまどい事実を受け入れらません。そのあと、徐々に認知症の理解をし、本人への寛容な心が広がることが多いようです。以下の4ステップを経て家族の認知症を受容できるとされています。受容とは、認知症への理解が深まり、本人の心がわかるようになり、本人のあるがままを受け入れられるようになり、介護者も本人も落ち着いた状況です。
受容の状態にいたるのには、心に余裕が必要ですので、うまく介護サービスを利用することが大事です。
①とまどい・否定⇒②混乱・怒り・拒絶⇒③割り切り⇒④受容
<周辺症状の特徴>
周辺症状には個人差があります。性格や生い立ち、社会人になってからの経歴、性格、生き方、ポリシー、今の環境などにより差がでます。男性は職業経歴、女性は子育て経験が行動に現れることが多いです。周辺症状を最近ではBPSDという言葉を用いている場合もあります。
また周辺症状は介護の対応によって症状を軽減することが可能です。例えば、見当識障害によって夜、トイレの場所がわからず失禁してしまう場合は、トイレの場所を明確にするために矢印をふったり、ドアを開け、電気をつけておくことなどで症状の軽減ができることがあります。
ご不明点や詳細については、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)
次回は認知症の基礎知識Vol.11(認知症サポーターキャラバンとは)です。
関連記事
●ぷちコラム⑥映画「和ちゃんとオレ」から息子介護について考える ●知恵袋⑬介護で知っておきたい医療関連用語集 ●知恵袋⑭介護で知っておきたいお薬一覧” ●高齢者住宅・施設の解説⑨グループホーム ●介護保険のしくみVol.26(地域密着サービス⑥認知症対応型共同生活介護[グループホーム]) ●知恵袋① 認知症予防とイチョウの葉エキス ●サービス付き高齢者向け住宅入門⑯(サ高住と認知症) |