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今回は年金の記事です。
前回は厚生年金基金に触れましたので、今回は国民年金基金について簡単に解説したいと思います。
前回の年金記事はこちら⇒年金のお話(18)厚生年金基金
1.国民年金基金とは
国民年金基金とは老齢基礎年金に上乗せする年金を支給する組織です。国民年金における年金の2階部分であると言えます。
自営業者など国民年金だけに加入する人に上乗せ部分を支給する目的で1991年に創設されました。
3階部分 | 厚生年金基金 | 共済年金(職域部分) | |
2階部分 | 国民年金基金 | 厚生年金 | 共済年金 |
1階部分 | 国民年金 |
なお、国民年金基金の加入員期間はねんきん定期便の記載内容には含まれていません。
2.国民年金基金の種類
国民年金基金の種類には地域型国民年金基金と職能型国民年金基金の2つがあります。
地域型国民年金基金は各都道府県に1個とされ、職能型国民年金基金は同種の事業または業務につき全国を通じて1個とされます。
それぞれどのような基金があるかについては百聞は一見に如かずですのでこちらをご覧ください。
●地域型国民年金基金の一覧
●職能型国民年金基金の一覧
3.国民年金基金への加入
国民年金基金には国民年金の第1号被保険者が加入できます。(参考⇒国民年金の被保険者)
第1号被保険者とは、第2号被保険者(厚生年金や共済年金等の被保険者)および第3号被保険者(第2号被保険者の配偶者)以外の人を指します。
日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の任意加入被保険者の方も加入することができます。
ただし以下の人は対象ではありません。
・保険料の免除を受けている人
・65歳以上70歳未満の特例任意加入被保険者
また、同じ人が2以上の国民年金基金に加入することはできません。
4.給付の種類
国民年金基金の加入は口数制で、どのような給付を受けるかは自分で選択できるようになっています。
1口目は終身年金A型、B型いずれかの選択となります。A型は保証期間中に亡くなった場合、遺族に一時金が支払われますが、B型は保証期間がありません。
2口目以降は終身年金のA型、B型のほか、受給期間が定まっている確定年金のI型、II型、III型、IV型、V型から選択します。
詳細はこちらをご参照ください。⇒年金の種類
5.掛金と受給額
掛金月額は選択した給付の型、加入口数、加入時の年齢、性別によって決まります。掛金の上限は原則として68,000円です。
男性の掛金一覧表はこちら⇒掛金一覧表(男性)
女性の掛金一覧表はこちら⇒掛金一覧表(女性)
例として、男性が30歳2月に計3口(1口目:A型、2口目以降:I型2口)に加入した場合を考えてみましょう。
この場合、1口目の掛金月額は9,740円、2口目以降の掛金月額は3,560円×2口=7,120円で、合計16,860円となります。
年金月額は1口目が2万円、2口目以降が1万円×2口=2万円なので、合計4万円となります。これが基本額です。
年金にはさらに「加算額」が加わります。加算額の一覧表はこちらです。⇒加算額
この例の場合、1口目は880円、2口目以降は440円ですので、月額に換算すると
(880円+440円×2口)×(12月-2月)÷12月=1,760円×10÷12=1,466円
が加算されます。したがって年金月額は合計41,466円となります。
この例は国民年金基金のHPに書いてある例をそのまま使っているだけですので、こちらもご参照ください。⇒国民年金基金の特徴
国民年金基金については以上となります。
次回は年金のお話(20)年金給付と税金です。
過去の年金記事はこちら→年金のお話(まとめ)
27年生まれで4月で64歳になります。一部分は64歳からもらえるのですか?その部分の支給額はずっと変わらないですか?