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年金のお話(14)支給の繰下げ

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今回は年金のお話です。
前回の年金記事⇒年金のお話(13)保険料②付加保険料と付加年金

以前の記事で支給の繰上げについては触れていましたが(参照⇒年金のお話(7)年金を早くもらうには(支給の繰上げ))、繰下げのほうには触れていませんでしたので、今回は「支給の繰下げ」について簡単に記載します。

<支給の繰下げ>
支給の繰下げは国民年金も厚生年金もどちらも対象となります。

1.支給の繰下げとは
支給の繰下げとは、年金の受給権を有する人が受給開始時期を本来の受給開始時期から遅らせることにより、その遅らせた期間に応じて割増した年金を受給できる制度です。

2.増額率
0.7% × [年金受給権を取得した月から繰下げを申し出た月までの月数(最大60)]

たとえば65歳になったときに年金の受給権を取得した人がその時点で年金の裁定請求を行わず、68歳になって裁定請求を行った場合、36か月が経過しているので、増額率は 0.7% × 36 = 25.2% となります。

「裁定請求」とは受給を開始するための請求です。年金の受給権は法定の要件を満たせば発生しますが、実際に受給を開始するためには裁定請求を行うことが必要になります。支給の繰下げの対象となるのは、受給権を獲得してから1年以上裁定請求をしていなかった場合となります。

なお、昭和16年4月1日以前生まれの方の場合、増額率はもっと多いのですが、ここでは触れません。

3.損益分岐点
支給の繰下げをする場合としない場合、どちらのほうが得なんでしょうか?
その損益分岐点は以下の数式で求められます。数式を書いてみましたけど見る必要はありません。

N × (1+0.7%×k) × x = N × (x + k)

N:年金受給額
k:繰下げ期間
x:損益分岐点(繰下げ受給開始時点から)

実際計算してみると、どんな場合でも損益分岐点は繰下げ受給開始から142.857ヶ月となります。年にすると約11.9年です。
つまり上述の68歳で裁定請求をした場合、80歳で通常の年金受給総額とほぼ同額になり、その後は割増された受給額を受けられるということですね。

個人的には「明日の100より今日の50」ということわざが想起されます。
ただ支給の繰上げ・繰下げどっちが得かというのは、人それぞれの価値観によるところが大きいので、まずはその判断のためにどういう制度があるかを理解するのが大事であると思います。

4.増額率の限度
2.増額率のところにさりげなく(最大60)と書いてありますが、これはこの期間経過後に裁定請求をしても期間に応じた割増は受けられないということです。
たとえば老齢基礎年金の場合、65歳で受給権を得て70歳で裁定請求をすると増額率は42%になりますが、裁定請求を忘れていて72歳になってから年金を受給開始しても増額率は42%となります。
70歳を過ぎた時点でも特に通知等があるわけではないので、支給の繰下げをしている場合は注意したほうがよいでしょう。

次回の年金記事は年金のお話(15)今後の年金改正です。
過去の年金記事はこちら→年金のお話(まとめ)

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コメント

  1. 27年生まれで4月で64歳になります。一部分は64歳からもらえるのですか?その部分の支給額はずっと変わらないですか?

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