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年金のお話(11)働きながら年金をもらう人に関する制度①(在職老齢年金)

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今回は年金のお話です。
前回の年金⇒年金のお話(10)被保険者・受給権者が亡くなった場合の年金④併給

前回までは遺族年金について、どのような場合にもらえるかを簡単に説明しました。
今回は在職老齢年金について解説します。

年金をいつからもらえるのかについては(6)年金はいつからもらえるのかで解説しましたが、年金受給開始年齢は今年から段階的に引き上げられ、将来的には65歳からとなります。年金制度への不安もあり、60歳以後も働き続ける人は今後増えるかもしれません。年金をもらいながら働くことを考えている方もいるのではないでしょうか。そんな方に知っておいておきたい制度が在職老齢年金です。

在職老齢年金とは、老齢厚生年金を受給できる年齢に達した以後も働き続け給料をもらっている場合に、もらった給料に応じて年金を減額する制度です。減額されるのは老齢厚生年金であり、1階部分の老齢基礎年金は対象とはなりません。
今回は在職老齢年金がどのような場合に適用されるのかを簡単に解説します。

<65歳未満の在職老齢年金>
65歳未満の方に支給される特別支給の老齢厚生年金について、一定の要件を満たした場合、その受給額の一部が減額されます。

1.適用の要件
総報酬月額相当額(※1)+基本月額(※2)>28万円

(※1)総報酬月額相当額=標準報酬月額+その月以前の1年間の標準賞与額の総額÷12
(※2)基本月額=老齢厚生年金(報酬比例部分+定額部分。加給年金は含まない)の額÷12

2.支給停止基準額
1.に該当するときは、以下の(1)~(4)の場合ごとに、その月の分の老齢厚生年金が支給停止されます。

条件支給停止される金額
(1)基本月額が28万円以下、かつ、総報酬月額相当額が46万円以下 (総報酬月額相当額+基本月額-28万円)×1/2
(2)基本月額が28万円以下、かつ、総報酬月額相当額が46万円超 (46万円+基本月額-28万円)×1/2 +(総報酬月額相当額-46万円)
(3)基本月額が28万円超、かつ、総報酬月額相当額が46万円以下 総報酬月額相当額×1/2
(4)基本月額が28万円超、かつ、総報酬月額相当額が46万円超 46万円×1/2 +(総報酬月額相当額-46万円)

わかりづらい表ですが、要約すると
・報酬のうち46万円までは半額が、それ以上は全額が支給停止される。
たとえば報酬が48万円の場合、支給停止額は 48万円-46万円+46万円÷2 = 25万円 となる。

・年金が28万円に満たない場合、28万円と年金の差額の半額が支給停止額から減額される。
たとえば報酬が48万円で年金が20万円の場合、支給停止額は 25万円+(20万円-28万円)÷2 = 21万円 となる。

ということです。

なお、28万円と46万円は2013年8月現在の金額であり、物価の変動に応じて変更されることがあります。
詳しくは日本年金機構のHPでご確認ください。

<65歳以後の在職老齢年金>
65歳以後の方に支給される老齢厚生年金について、一定の要件を満たした場合、その受給額の一部が減額されます。
なお、この規程は1937年(昭和12年)4月1日以前に生まれた受給権者には適用されません。

1.適用の要件
総報酬月額相当額(※1)+年金の基本月額(※2)>46万円(※3)

2.支給停止基準額
1.に該当するときは、その月の分の老齢厚生年金が支給停止されます。
支給停止される金額
(総報酬月額+年金の基本月額-46万円(※3))×1/2

在職老齢年金については以上となります。
次回の年金記事は年金のお話(11)働きながら年金をもらう人に関する制度②高齢者雇用継続給付です。

過去の年金記事のまとめはこちら→年金のお話(まとめ)

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コメント

  1. 27年生まれで4月で64歳になります。一部分は64歳からもらえるのですか?その部分の支給額はずっと変わらないですか?

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