~前回~生活保護と高齢者向け住宅・施設について④(生活保護の目的と原理原則)
本日は、申請から保護開始までの流れを解説したいと思います。
【保護の開始・変更】
生活保護を申請した場合、地区担当員による訪問調査や関係機関調査を経て保護が決定されます。
この際、以下のような判断になります。
●世帯の生活費>収入=『保護要』
→最低生活費に足りない分だけ、現金や医療などの現物で支給されます。
●世帯の生活費<収入=『保護不要』
→生活保護は利用できません。
要否判定に用いる最低生活費には、生活・住宅・教育扶助の基準額と介護・医療保険料のサービスの自己負担額分などが算定されます。
また、働いて得た収入がある場合は、過去三ヶ月分の収入額に対して、実費控除のほか、基礎控除の70%が適用されます。
【収入認定】
働いて得た収入、年金や手当、援助など、世帯に入るお金はすべて収入として扱われます。
●年金・手当
年金は2ヶ月ごとに支給されますが、1ヶ月あたりの金額で収入として扱われます。4ヶ月ごとに支給される各種手当なども同様に1ヶ月あたりの金額です。
●臨時収入
保険金などの臨時的な収入については、それを受けとる際に必要な実費のほかに、一律8,000円控除があります。
●仕送りや贈与など
原則的に収入認定されますが、保護基準でまかないきれないもので、世帯の自立に役立つと認められるものについては、控除されます。
【保護の停止・廃止】
収入が増えたり、施設入所などで保護基準が下がった場合は、要否判定の結果により保護要しない状態となることがあります。
それが一時的なもので、概ね6ヶ月以内に再び保護を要する状態となることが予想されるときや、保護を要しない状態と確実にいえない場合は保護停止になります。
停止の場合、収入申告の義務や家庭訪問は残りますが、実質上の保護利用ではないため、会社等の健康保険に加入していない場合は、国民健康保険に加入し、保険料と医療費の自己負担を払うことになります。
また、安定して保護を要しない状態が6ヶ月以上続くと見込まれる場合は、保護廃止となります。
施設入所(特別養護老人ホーム等)の際は、よく留意しましょう。
ご不明点等ありましたら、高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
次回は生活保護と高齢者向け住宅・施設について⑥(持ち家がある場合)です。
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