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<はじめに>
2012年時点で認知症の方は全国462万人いると厚生労働省研究班が調査の結果を発表しました。
全国の高齢者人口が3,079万人(2012年時点)ですので、高齢者の15%が認知症ということになります。さらには85歳上では40%以上が認知症と言われています。
認知症は高齢者住宅・施設の入居を考えるきっかけとなることも多いですし、避けては通れないテーマです。本日より何回かにわたって高齢者住宅・施設入居を考えるにあたって必要な認知症の基礎知識をまとめていきたいと思います。
<認知症とは>
認知症とは、さまざまな原因(病気)で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなって生活するうえで支障が出ている状態(おおよそ6ヶ月以上継続)の総称です。 |
<認知症の原因となる病気とは>
認知症を引き起こす病気はたくさんあります。しかし、現在見れる認知症のほとんどは[アルツハイマー型」[脳血管障害型」[レビー小体型」のどれかです。
●原因となる3大疾患
名称 |
説明 |
アルツハイマー型 |
認知症の60%はアルツハイマー型と言われています。身体的な病気とは関係なく、脳の神経細胞が変性・死滅することで、脳が萎縮してしまうものです。 |
脳血管障害型 |
脳梗塞や脳出血などによって脳細胞が損傷することで起こります。血管障害が起こった場所によって症状が異なります。 |
レビー小体型 |
びまん性レビー小体病という大脳皮質の神経細胞に[レビー小体」という特殊な構造物が蓄積される病気です。初期には実在しないものが見える「幻視」が現れやすいです。 |
●原因となる病気一覧
種類 |
病気名 |
脳の変性によるもの |
アルツハイマー病、びまん性レビー小体病、ピック病、パーキンソン病、ハンチントン病、進行性核上麻痺、脊髄小脳変性症など |
脳血管障害によるもの |
脳梗塞、脳出血など |
内分泌・代謝性・中毒性の病気 |
甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、ビタミンB12欠乏症、肝性脳症、電解質異常、ウェルニッケ脳症など |
腫瘍性の病気 |
脳腫瘍、癌性髄膜症など |
感染性の病気 |
髄膜症、脳炎、進行麻痺、ヤコブ病など |
外傷性の病気 |
脳挫傷、脳内出血、慢性硬膜下血腫など |
その他 |
正常圧水頭症、多発性硬化症など |
<どのような症状がでるか>
認知症になると下記のような症状がでて、最後には運動能力が低下して寝たきりになります。現在、認知症の根本的な治療薬はありませんが、進行を遅らせたり緩和させることはできます。
知能面 |
健忘(物忘れ、繰り返し同じことを言う)、見当識障害(日時や場所、人がわからない)、思考障害(思考力や理解力が低下し、計算などができなくなる)、認知障害(見分ける力が低下し、人違いをする) |
身体面 |
歩行障害(うまく歩けなくなる)、嚥下障害(飲み込めなくなる)、膀胱直腸障害(尿や便が出にくくなる) |
ご不明点や詳細については、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)
次回は認知症の基礎知識Vol.2(アルツハイマー型認知症の特徴)です。
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