今回は年金のお話の続きです。年金の前回はこちら⇒年金のお話(10)被保険者・受給権者が亡くなった場合の年金③遺族厚生年金
ここまでは遺族年金がどのような場合に支給されるかを見てきましたが、
今回は遺族年金等の支給要件を同時に満たした場合に、どのような調整がされるのかを例示します。
<同一の支給事由によるもの>
1.遺族基礎年金と遺族厚生年金
特に調整されることなく、併給されます。
2.遺族厚生年金と遺族共済年金
遺族共済年金については、このブログではあまり触れていませんが、公務員等が加入する共済年金で支給される遺族年金です。
共済年金については、2015年(平成27年)から改正法が施行されることが予定されています。⇒参考:年金制度の改正について
遺族厚生年金と遺族共済年金の受給要件を満たした場合は、いずれも長期要件を満たしている場合に併給され、それ以外は併給されません。
長期要件は老齢年金の受給資格を満たしている場合で、詳細は前回をご参照ください。
<異なる支給事由によるもの>
老齢と死亡、障害と死亡といった異なる支給事由による年金は、65歳以上の受給権者に限り併給されます。
これは年金の繰上支給を受けている場合も同様です。
1.遺族基礎年金とその他の年金
併給されません。
2.遺族厚生年金とその他の年金
65歳以上の受給権者の場合、老齢基礎年金と遺族厚生年金、老齢厚生年金と遺族厚生年金、障害基礎年金と遺族厚生年金が併給されます。
老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給要件を満たした場合、遺族厚生年金-老齢厚生年金の額と老齢厚生年金の額が併給されます。
遺族厚生年金(一部併給) |
老齢厚生年金 |
老齢基礎年金 |
3.併給されない場合
併給されない年金の受給要件を同時に満たした場合、いずれか1つの年金を選択することになります。
たとえば遺族基礎年金・遺族厚生年金と障害厚生年金、特別支給の老齢厚生年金と遺族厚生年金を同時に受けられる場合などです。
次回の年金記事は年金のお話(11)働きながら年金をもらう人に関する制度①(在職老齢年金)です。
過去の年金記事のまとめはこちら→年金のお話(まとめ)
27年生まれで4月で64歳になります。一部分は64歳からもらえるのですか?その部分の支給額はずっと変わらないですか?