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高齢者医療制度について(15)保険料の計算

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高齢者医療制度について(14)保険料を滞納した場合

このカテゴリーでは高齢者の方に関連する医療制度について解説しています。
今回は保険料の計算についてです。前々回等に保険料の軽減措置について書きましたが、保険料の計算そのものについては後期高齢者医療制度についてsしか書いてなかったので、順番が前後しましたが、今回は医療保険の保険料についてまとめます。
各医療保険の違いについてはこちらをご参照ください。
また、今回は介護保険については記載を省略します。介護保険の保険料についてはこちらをご参照ください。

<保険料の計算>

1.後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度の保険料については前々回と同じ内容です。

後期高齢者医療制度の保険料は、次のようになっています。

保険料 = 所得割額 + 均等割額

「均等割額」は加入者全員に均一にかかる金額です。
「所得割額」は所得に応じてかかる金額です。所得割額は、(総所得金額-33万円)×所得割率と計算されます。
所得割額は上限57万円とされます(従来は55万円でしたが、平成26年度から57万円になりました)。

均等割額と所得割額は都道府県によって異なる数値が設定されています。具体的には厚生労働省のHPから見られる次の資料をご参照ください。
後期高齢者医療制度の平成26・27年度の保険料率等

2.国民健康保険
国民健康保険の保険料については高齢者医療制度について(8)任意継続被保険者とはで記載しています。
以下はその記事と同じ内容になります。

国民健康保険の保険料の計算方法は市町村ごとに異なります。正しい金額を知りたい場合は、各市区町村の担当窓口に問い合わせるのが確実でしょう。
ここでは実際どのような計算方法があるのかについてご紹介します。

国民健康保険の保険料は以下の4つにより算定されます。
①所得割・・・世帯の所得に応じて計算
②資産割・・・世帯の資産に応じて計算
③均等割・・・世帯の加入者数に応じて計算
④平等割・・・一世帯辺りの額

①所得割の計算には(i)所得比例方式と(ii)住民税方式があります。
(i)所得比例方式は、(前年の総所得金額-基礎控除額(33万円))×保険料率 で計算されます。
(ii)住民税方式は、採用する自治体は少ないですが東京23区、横浜市、名古屋市など大都市圏を中心に採用されています。

②資産割は 加入者全員の土地と家屋の固定資産税×資産割率 で計算されます。
健康保険にはない部分なので、資産割のある市町村にお住まいの方の保険料は格差が生じる可能性があるということになります。

③均等割は 世帯の被保険者数×年額 で計算されます。
国民健康保険には扶養の概念がなく、世帯単位での計算となります。扶養家族があっても保険料は変わらない健康保険と比べると、これも格差があるといえるでしょう。

④平等割は世帯ごとに賦課される金額です。所得の金額や加入者人数などは影響しません。

3.健康保険
健康保険の保険料は次の数式で計算されます。
一般保険料額 = (標準報酬月額 + 標準賞与額) × 一般保険料率
保険料率は、協会けんぽについては都道府県ごとに異なり、組合健保の場合も組合ごとにそれぞれ設定されることになります。設定される保険ry倒立の範囲は3%~12%となります。
協会けんぽの保険料率については全国健康保険協会のHPが参考となります。
標準報酬月額と標準賞与については後述します。

健康保険の保険料は事業主と被保険者で折半となるので、被保険者の実際の負担は上の計算で得た数字の半分になります。

<標準報酬月額>

標準報酬月額は保険料の計算の基準となる数値で、被保険者の方の報酬によって決定されます。
ここでいう「報酬」とは「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない」とされます。要するに、その名称を問わず労働の対価全てが報酬です。
この「標準報酬月額」は厚生年金の保険料を計算する場合にも用いられます。厚生年金の保険料についてはこちらをご参照ください。

1.標準報酬月額の決定
標準報酬月額は原則として毎年7月に、4月、5月、6月の報酬の平均額を用いて決定されます。ここで決定された標準報酬月額は1年間(9月~8月)固定となります。
ただし標準報酬月額に大幅な変動が生じた場合は年の途中でも改訂されることがあります。

2.標準報酬月額の等級
健康保険の場合、第1級58,000円~第47級1,210,000円の47等級があります(2014年10月現在)。
被保険者の報酬の月額を等級区分にあてはめることで標準報酬月額が決定されます。

たとえば、報酬月額が165,000円以上175,000円未満の人は第14級となりますので、標準報酬月額は170,000円となります。
また、等級の上限は1,210,000円なので、たとえば月の報酬が10,000,000円の人でも標準報酬月額は1,210,000円となります。

なお、厚生年金の場合は等級の数が少なく、第1級98,000円~第30級620,000円となります。

これらをまとめた表がこちらになります。

3.標準報酬月額の等級の改定
毎年3月31日において、最高等級(現在は第47級)に該当する被保険者の数が被保険者全体の1.5%を超え、その状態が継続すると認められる場合は、最高等級者が1%未満とならないような限度で、最高等級の上にさらに等級を加えることができるとされています。
先日取り上げた記事でもこの点に触れています。

<標準賞与>

いかなる名称であるかを問わず、労働の対価として受けるすべてのもののうち、3カ月を超える期間ごとに受けるものを賞与と言います。
賞与額の1,000円未満を切り捨てた額が標準賞与額とされ、これにも保険料が課されることになります。

標準賞与額については上限が設定されていますが、この扱いが健康保険と厚生年金では異なります。
健康保険では年度累計額540万円が上限とされます。これに対し、厚生年金では1ヶ月あたり150万円が上限とされます。

たとえば、6ヶ月ごとに300万円のボーナスを貰ったという事例を考えてみます。
この場合、年度の累計額は600万円なので、健康保険の標準賞与は540万円となり、540万円に対して保険料が課されることとなります。
一方、各月の支払いは300万円なので、厚生年金の標準賞与は150万円×2回=300万円となり、300万円に対して保険料が課されることとなります。



保険料については以上となります。

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