←「自分史についてVol.231自分史が自慢史にならないために」前の記事へ
次の記事へ「自分史についてVol.233【2017年の終わりに】」→
自分史記事一覧→記事一覧-自分史
本日も前回に引き続き、提携している行政書士であり自分史活用アドバイザーの馬場先生に、体験談を交えた自分史についての記事を書いて頂きました。
第232回目は家系図づくりと自分史です。
<家系図づくりと自分史>
自分史と関連性がある分野として『家系図』があります。私の本職は行政書士ですが、10年ほど前に行政書士が作る『家系図』のブームがありました。行政書士が相続関連の手続きをする際、初めに相続人を確定するために被相続人(亡くなった方)が死亡時から遡って出生時までの戸籍謄本を取り寄せる業務があり、その過程で祖先の家系を調べることが出来ます。これは相続手続きのためというより、鑑賞用と言われるものですので、実は行政書士でなくても委任状があれば一般の方でも作成することが出来ます。近年においては行政書士ではなく専門の業者も『家系図』に取り組むようになりました。専門業者ということで商品色が強まり、見栄えも良くなってきたため、また見直されて今に至っているようです。
先日横浜で開催した自分史講座においてもすでに『家系図』に取り組まれている方が数名いました。この家系図の調べ方ですが、まず現在、本籍がある役場に行き、戸籍謄本を取得します。現在は戸籍謄本とは言わず、ほとんどの役場ではデータ管理されていて、『記載事項証明書』を出してもらうことになります。普通はここで終わりになるわけではなく、引っ越しや結婚などで転籍をしている場合があるので、その記載事項証明書に記載された転籍前の役場を調べ、ここの戸籍を取り寄せます。戸籍にはいくつか種類があり、戸籍謄本の他に戸籍法が改正されることによって、戸籍の様式などが変更され、その都度新しい様式の戸籍に書き替えが行なわれるのですが、この書き替えをする前の戸籍のことを改正原戸籍と言います。戸籍にはすべての履歴が記載されているわけではないので出生時までさかのぼるにはこの原戸籍も取り寄せ、その前の戸籍に繋げなくてはなりません。さらに戸籍からすべてのものが死亡などにより居なくなることがあります。この場合のようにからっぽになってしまった戸籍も記録として残ります。この戸籍のことを除籍と言います。ご高齢者の場合、この戸籍、改正原戸籍、除籍の3つを駆使して明治時代~平成にかけての家系を辿ることが出来るのです。現在の戸籍制度は明治5年から始まっていますので、それ以前の戸籍は正式なものとしては保管されていません。ですから、ここからは様々な方法で予測していくことになります。今家系図をつくるためには以下の2つの方法が行われています。
1.菩提寺にある過去帳から調べる
2.祖先の墓石の墓誌から調べる。
3.人づてに調べる。
1と2は公式ではないながらも記録として残っているものなので、3で聞いた内容を確認するといった証拠のようなものになります。ここからの作業はかなりの時間と労力を使うものですので、業者に頼む場合は100万円~単位の仕事になることがあります。完全な家系図を作るためには父方、母方の2系統からさらにそれぞれ2系統ずつ増えて行きますので調べる量も膨大なものになります。
家系図は自分史以前に自分につながる家系を調べる作業です。多くの方々がこの家系図を調べる過程で、自分という存在が祖先と未来の子孫との橋渡しをしていることを実感するそうです。ほとんどの方が未完成に終わってしまう家系図づくりですが、この未完成な部分こそが家系図の魅力であり、未完成を埋める想像力が自分史を深めるものになっています。
つるま行政書士事務所
自分史・エンディングノート・遺言・相続
馬場敦先生は町田市鶴間に事務所を構えていて、地域密着、個人密着をモットーに活動されています。法的な遺言書の有効性を高めるために自分史やエンディングノートを活用して、家族に想いを伝えるトータルメモリーサポート事業をおこなっています。主に、自分史・遺言書作成で連携させて頂いております。⇒回顧録チラシ
●テレビ番組 ・NHKのEテレ「団塊スタイル」2013年6月14日金放送:意外な効用!自分史づくり http://www.nhk.or.jp/dankai/bangumi/num062/ ●新聞 ・東京新聞2013年6月12日:お父さんの「自分史」贈ろう 父の日 今年は「モノより思い出」を http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2013061202000156.html ●自分史年表作成サイト ・Histy http://histy.jp/ ●イベント ・自分史フェスティバル2013(東京・両国の江戸東京博物館 2013年8月7日開催) http://www.jibun-shi-festival.net/ ・自分史フェスティバル2014 http://www.jibun-shi-festival.net/ |
自分史作成キット 和装本 自分の歴史を書いてみよう ([バラエティ])
- 著: 一般社団法人自分史活用推進協議会
- 出版社: 日本法令
- 発売日: 2012/08/10
- 定価: ¥1,995
- ジャンル: Book
- メディア: 単行本
- Amazon.co.jpで詳細を見る
(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)