本日より複数回にわたり『サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)』について解説していきます。
2011年10月よりスタートした制度のため耳馴染みではないかと思いますので、ご存知ない方はイメージを掴んでください。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、「高齢者住まい法」の改正により創設された介護・医療と連携し、高齢者の安心を支えるサービスを提供するバリアフリー構造の住宅です。
この制度は、高齢者が安心して生活できる住まいづくりを推進するために制定されました。
住宅としての居室の広さや設備、バリアフリーといったハード面の条件を備えるとともに、ケアの専門家による安否確認や生活相談サービスを提供することなどにより、高齢者が安心して暮らすことができる環境を整えた住宅です。
ハード面、ソフト面、契約関連の登録条件は以下のとおりです。
【ハード面】
●各専用部分の床面積は、原則25㎡以上
(ただし、居間、食堂、台所その他の部分が共同して利用するための十分な面積を有する場合は18㎡以上)
●各専用部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えたものであること
(ただし、共用部分に共同して利用すために十分な台所、収納設備、浴室を備えている場合は、各戸に台所、収納設備、浴室を備えずとも可)
●バリアフリー構造であること
(段差のない床、手すりの設置、廊下幅の確保等)
【ソフト面】
●ケアの専門家(※)が少なくとも日中建物に常駐し、安否確認サービスと生活相談サービスを提供すること
(これらのサービスの他に、介護・医療・生活支援サービスが提供・併設されている場合があります。)
※ケアの専門家
社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業所等の職員、医師、看護士、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、ホームヘルパー1級または2級の資格を保持するもの
【契約関連】
賃貸借方式の契約と利用権方式の契約があります。
いずれも長期入院などを理由に事業者から一方的に解約できないことになっており、居住の安定が図られた契約内容になっています。
契約者に請求できる金銭は、敷金、家賃・サービスの対価のみとなっており、権利金やその他の金銭を請求することはできません。
また家賃・サービスの対価の前払金を請求する場合は、前払い金の算定の基礎、返還債務の金額の算定方法を明示しなければなりません。
<家賃等の前払金を受領する場合>
入居後3カ月以内に契約を解除、または入居者が死亡したことによる契約終了の場合、入居から契約解除までの日数×日割計算した家賃等を除く前払い金を返還する義務があります。
事業者は返還債務を負うことになる場合に備えて、前払金に対し、保全措置を講じておく必要があります。
サービス付き高齢者向け住宅の工事完了前に、前払い金を請求することはできません。
まだイメージがしづらいと思いますが、まずはバリアフリー住宅に相談員さんがいるといったイメージでいいと思います。
今後物件紹介等もしていきますので、そういったところでイメージを固めていって頂ければと思います。
次回はサービス付き高齢者向け住宅入門②(現状の数と将来推移)です。
<関連書籍>
私がこの業界に入って一番はじめに勉強のために読んだ書籍です。資格は超難関資格ですが、本の内容は高齢者住宅・施設の歴史的背景や地域包括ケアについて詳しく書いてあり、とても勉強になりました。
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