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高齢者医療制度について(18)健康保険の被保険者

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このカテゴリーでは高齢者の方に関連する医療保険等の制度について解説しています。
今回は、前々回の後期高齢者医療制度と前回の国民健康保険に続き、健康保険の被保険者についてです。
被保険者の種類については高齢者医療制度について(7)公的医療保険の種類で大雑把な区分を記載していますが、今回はもう少し詳細な解説をすることにいたします。

<健康保険の被保険者>

1.被保険者

健康保険法の被保険者は、健康保険法の第3条1項に次のように定められています。
この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう。

任意継続被保険者については高齢者医療制度について(8)任意継続被保険者とはで解説しています。
「適用事業所に使用される者」については以下で内容を確認します。

(1)適用事業所とは
健康保険の適用事業所は①強制適用事業所と②任意適用事業所の2種類があります。

「国、地方公共団体、法人の事業所で、常時従業員を使用するもの」は全て強制適用事業所です。
それ以外の場合は、「個人経営の事業所で常時5人以上の従業員を使用する法定業種」が強制適用事業所になります。法定業種は物の製造、加工、包装、修理、解体の事業や、土木、建築等の事業などがあります。
逆に、法定業種に該当しない業種は、農林水産業や旅館、飲食店、接客業などとなります。

強制適用事業所に該当しない事業所の場合は、従業員の2分の1以上の同意を得て厚生労働大臣の認可を得ることにより、任意適用事業所になることができます。

(2)「使用される」とは
「使用される」とは、法律上の雇用契約の有無に関係なく、事業主と被用者との間に事実上の使用関係があることをいいます。
なので、労災保険や雇用保険とは異なり、法人から労働の対償として報酬を受け取っていれば、法人の代表者・役員も原則として被保険者となります。しかし、個人経営の事業所の事業主の場合は、「使用される者」とはみなされないので、被保険者とはなりません。

(3)短時間就労者(パートタイマー)の場合
パートタイマーの方の場合、「常用的雇用関係が認められるか」により判断されます。
具体的な取扱い基準は、次のいずれにも該当する場合です。

・1日又は1週間の勤務時間が、その会社で働いている一般の従業員の勤務時間の概ね4分の3以上である。
・1ヶ月の所定勤務日数が、その会社で働いている一般の従業員の概ね4分の3以上である。


短時間労働者については平成28年(2016年)10月から適用範囲が拡大されることが決まっていますが、その解説はここでは省略します。

2.適用除外
以下の場合は健康保険の被保険者とはなりません。

(1)日雇労働者
①日々雇い入れられる人
②2ヶ月以内の期間を定めて使用される人
③季節的業務(4か月以内の期間)に使用される人
④臨時的事業(6ヶ月以内の期間)の事業所に使用される人
⇒この①~④の場合は「日雇特例被保険者」に該当し、健康保険が適用されます。
(2)船員保険の被保険者(疾病任意継続被保険者を除く)
(3)所在地が一定しない事業所に使用される人
(4)国民健康保険組合の事業所に使用される人
(5)後期高齢者医療の被保険者
(6)厚生労働大臣、健康保険組合又は共済組合の承認を受けた人

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