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高齢者と雇用(3)失業手当(基本手当)の日額の計算方法

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前回の雇用関係の記事⇒高齢者と雇用(2)雇用保険の被保険者の種類

高齢者の方々にとってもそうでない方にとっても「雇用」は関心の高いテーマとなっていると思います。
雇用のセーフティネットとして代表的な雇用保険について、前回は雇用保険の被保険者にはどんな種類があって、支給される手当にはどのような種類があるのかについてまとめました。
今回は各手当として実際にいくらぐらいもらえるのか、その計算の基礎となる基本手当の日額の計算方法についてまとめてみます。
基本手当とは、いわゆる「失業手当」のことを指します。

<基本手当の日額の計算>
基本手当の日額は【対象となる被保険者の賃金日額×賃金日額に応じた率】により算定されます。
では、賃金日額とはどのように計算されるのでしょうか。まずそこから確認してみましょう。

1.賃金日額
賃金日額は離職前の賃金から算定されます。
具体的な数式は次のようになります。

最後の6か月間に支払われた賃金総額 ÷ 180


この「賃金」には、賃金、給料、手当、賞与その他の名称のいかんを問わず、労働の対価として事業主から支払われたものすべてが含まれます。現金支給のみでなく、現物による給与も含まれることになります。
分母は日数にかかわらず180に固定されます。

2.賃金日額の例外
(1)日給、時間給、出来高払い等の場合の賃金日額の最低保証額
1.による額が次の①・②の額に満たないときは、①・②の額が賃金日額となります。

①日給、時間給、出来高払い等の場合
最後の6ヶ月間に支払われた賃金総額÷最後の6ヶ月間に労働した日数 × 70%

②賃金の一部が月、週その他一定期間で定められている場合
①の計算額 + (一定の期間に定められた部分の賃金総額 ÷ 一定期間の総日数)


(2)賃金日額を算定することが困難な場合等
ここまでの計算方法により賃金日額を計算することが困難な場合や、その計算が妥当でない場合などは、「厚生労働大臣が定めるところにより算定した額」とされています。
たとえば育児・介護休業で賃金が減少している期間中に退職した場合などです。この場合は休業開始前の6ヶ月間の賃金で計算するといった措置がとられます。

3.賃金日額の上限額・下限額
賃金日額は以上により計算されますが、その金額には上限・下限があります。

年齢下限上限
29歳以下2,310円12,810円
30歳~44歳14,230円
45歳~59歳15,660円
60歳~64歳14,940円
65歳以上12,810円

なお、この金額は2014年5月17日時点のものです。


4.基本手当の日額
基本手当の日額は上記の賃金日額を基準に、その金額に応じて45%~80%を掛け算して算出されます。

原則60~64歳
賃金日額割合賃金日額割合
2,310円~4,609円80%2,310円~4,609円80%
4,610円~11,679円50%~80%4,610円~10,509円45%~80%
11,680円~50%10,510円~45%

5.具体例
以上を具体的な数字にあてはめてみましょう。

(1)基本手当の日額の下限
下限の金額はどの年齢でも変わりません。
2,310円×80%=1,848円 となります。

(2)基本手当の日額の上限
上限の金額は年齢によって異なります。実際に計算してみると次のようになります。
年齢計算式金額
29歳以下12,810円×50%6,405円
30歳~44歳14,230円×50%7,115円
45歳~59歳15,660円×50%7,830円
60歳~64歳14,940円×45%6,723円
65歳以上12,810円×50%6,405円

この金額が離職者ごとの一定期間について支給されることになりますが、実際どのぐらいの期間について支給されるのかは次回以降の雇用関係のテーマの記事で解説しようと思います。

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