←「病院のしくみ(2)病院と診療所の違い」前の記事へ
次の記事へ「病院のしくみ(4)病院の医療段階による種類(急性期・亜急性期・慢性期)」→
本日は病院のベッド(入院病床)の分類について解説します。
<医療法による5つの分類>
ベッドの分類は、医療法により以下の5つに分類されます。1つの病院が種類のちがう病床を持つ場合も多く、特に公的病院では、地域の基幹病院として歴史があるため、そのほとんどが一般病床と結核病床、感染症病床、精神病症を併せ持っています。
①精神病床 |
精神科の患者の患者が入院するための病床。 |
---|---|
②結核病床 |
結核患者が入院するための病床。 |
③感染症病床 |
感染症にかかった患者が入院するための病床。 |
④療養病床 |
高齢者や難病など、長期の入院が必要な患者が入院するための病床。医療保険での医療型療養病床と、介護保険での介護型療養病床があります。 |
⑤一般病床 |
上記以外の患者が入院するための病床が一般病床です。一般病床の中には、集中治療を行うためのICU(Intensive Care Unit)や新生児の集中治療を行うNICU(Neonatial Intensive Care Unit)、ホスピス病棟、緩和ケア病棟なども含まれています。ホスピスや緩和ケア病床は末期ガンで治癒のための積極的な治療が難しくなったとき、痛みを取り除き、おだやかな療養することを目的としています。 |
■病床の種類と数(平成25年10月時点)
①精神病床 |
339,780 |
---|---|
②結核病床 |
6,602 |
③感染症病床 |
1,815 |
④療養病床 |
328,195 |
⑤一般病床 |
897,380 |
合計 |
1,573,772 |
参照:厚労省→http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/13/dl/1-1.pdf
<診療科別・種類別の病症>
病院では、病床を診療科、種類ごとに分け、それを病棟と呼んでいます。病棟の分け方は病院によって様々ですが、内科患者のフロアを内科病棟、外科患者のフロアを外科病棟と言ったりします。ほかには、病気ケガなどの入院する一般病棟、長期療養が必要な療養病棟、リハビリが必要な人の回復期リハビリテーション病棟などがあります。
<ベッドの種類ごとの介護職員配置>
ICU |
常時2:1 |
---|---|
ハイケアユニット |
常時4:1 |
一般病棟 |
7:1、10:1 |
亜急性期 |
13:1 |
回復期リハ |
15:1+30+1 |
慢性期病棟 |
20:1+20:1(25:1+25:1) |
介護施設 |
施設の種類による |