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社会保険の基本的な部分について、いくつかご質問をいただきましたので、このカテゴリーで解説することにいたします。
今回の記事は社会保険に関する質問を寄せてくださった方の質問をそのままタイトルにしたのですが、おそらくこういうことを聞きたかったのでしょう。
「サラリーマンが加入する社会保険とそれ以外の人(自営業の方など)が加入する国民健康保険等は何が違うのか?」
なので、今回はそういう観点でそれぞれの違いを簡単にまとめることにいたします。
<社会保険と国民健康保険の違い>
1.対象となる保険
他人に雇われている人のことを被用者といい、サラリーマンや公務員、船員さんなどがこれに該当します。
適用対象となる保険は大雑把にいえば被用者か否かでわかれますので、この観点からまとめると次のようになります。
わかりやすさ重視でかなり大雑把なまとめにしましたので、厳密な比較がしたい場合は専門家にご相談ください。
被用者 (サラリーマン等) |
被用者以外 (自営業者等) | |
---|---|---|
●年金保険 | ||
年金 | 厚生年金(共済年金は廃止される見込み) | 国民年金 |
保険者 | 政府 | 政府 |
保険料の計算 | 給料×約17%(概算)実質的な被保険者の負担はこの半分 | 年額183,000円(平成26年) |
保険料の負担 | 会社が半額負担 | 全額自己負担 |
配偶者の扱い | 第3号被保険者被扶養者となるので、保険料は発生しない。 | 第1号被保険者被保険者として別途保険料を支払う。 |
保険料を支払う期間 | 70歳になるまで | 60歳になるまで |
年金を貰い始める時期 | 60歳開始から65歳開始へ移行中 | 65歳から支給 |
●健康保険 | ||
保険 | 健康保険 | 国民健康保険 |
保険者 | 全国健康保険協会健康保険組合 | 市町村国民健康保険組合 |
配偶者・子供の扱い | 被扶養者。何人いても保険料は変わらない。 | 扶養の概念はない。人数に応じて保険料は変わる。 |
保険料の計算 | 給料×保険料率 | 所得に応じた金額(所得割)+世帯人数に応じた金額(均等割)+世帯にかかる金額(平等割) |