以前にぷちコラム⑦で有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅等の選び方・ポイントという記事を書きましたが、もう少し詳しくこのテーマについて書きたいと思います。
よくご家族からの入居相談を受けていますと、まず何からすれば良いかわからない、知識があまりないなか探し始めたらわけがわらなくなってしまったなどの意見をよく伺います。本日は高齢者住宅・介護施設を選ぶ際のおおまかな流れを解説します。2回目以降でそれぞれのポイントを解説していきたと思います。
はじめに(介護保険等に関する理解)
介護に関する基礎知識から学びましょう。高齢者住宅・介護施設を理解するうえで、介護保険の理解は必要不可欠です。1.介護保険の制度(利用方法、ケアプランなど)→記事一覧-介護保険 2.高齢者の住まいについて→高齢者施設について 3.相談窓口の確認→ (自治体の高齢福祉課、地域包括、ケアマネジャー、紹介会社、福祉事務所) |
介護に関する本や雑誌、Webから学習すると良いでしょう。
<大切な事> ・ひとりで抱え込み過ぎない。(誰かに相談するだけでも気持ちが楽になる) ・暗くなりがちなので、あえてポジティブに考えることが大事。 (良い施設を探そう・自分の趣味を活かしたい、お父さんが楽しめるところ探したい) |
①お金(一番はじめに知っておくべきこと)
<現在の収入のチェック>・年金
・家族の援助
・生活保護
<資産(負債)状況>
・家(売却するかどうか)
・預貯金
・株式
・ローン(負債)
<シュミレーション>
・家を売る?売らない?
・何歳で入居するか?
・夫婦で入居するか?
・介護ローン
<大切な事> 経済面は、もっとも重要です。すごく良い施設でも、ずっとそこに住み続けられなければ意味がないので余裕をもったプランを立てる必要があります。 |
②現在の生活状況の把握、理想の生活の確認
現在の状況を書き出しましょう。(下記チェックシート参照)また理想の生活について列挙しましょう。
PDF→事前チェックシート(作成:株式会社えんカウント)
<大切な事> 現状を見て、まだ先のことだからと考えずに、早めに動くことが大切です。 家族:介護はいつやってくるかわからないので基礎知識をえましょう。 本人:将来、ここにお世話になれば大丈夫という心のゆとりをもつことが大事です |
③ゆずれないポイント
◎サービス |
◎設備 |
◎その他 |
---|---|---|
食事 医療面(看護師体制) リハビリ 職員の人柄 自由度 |
居室の広さ 居室の向き 駅などからの利便性 併設設備 浴室 |
レクリエーション 趣味を満喫できる お酒、タバコ 賑やか、静か 料理ができる |
<大切な事> 住まい探しで希望通りの100点満点を探すことは難しいです。譲れないポイントと妥協できるポイントをしっかりと決めて見極めることが大切。 |
④情報収集
◎知人等 |
◎包括支援センター |
◎ケアマネジャー |
---|---|---|
施設に入居している知り合いなどの情報は信憑性が高い情報を得られる。 |
介護保険に関することや公的な施設の情報を得られる。 |
在宅介護の状況からどのようなホームが良いがアドバイスをもらえる。 |
◎病院(MSW) |
◎紹介会社 |
◎インターネット |
入院している際は、MSWが退院後、自宅に戻れない場合は相談に乗ってもらえる。 |
基本的に無料で利用できる。親身になって相談できるところが良い。 |
インターネットで色々な施設を探すことができるが、自身にあったものを選ぶのは大変。 |
<大切な事> サ高住や有料老人ホームはお元気な方を対象としたところもあれば、重度対応のところまで幅広くあります。まだ元気だからサ高住、住宅型の有料などという考えで探すと選択の幅が狭まりますので、種類で選ばずに③で見たゆずれない点や運営会社の方針などから目星をつけましょう |
⑤資料のチェック
◎パンフレット(良い事しか書いていないのですべてを鵜呑みにしない)◎重要事項説明書(最新のものがあれば取り寄せる)
→資料から見学にいく施設を絞り込みます。
<大切な事> 紹介会社を通して資料請求をした場合は、思い切って評判などを聞いてみましょう! |
⑥見学
◎食事の試食◎体験入居(できるのであれば必ずするべき)
◎病院で健康診断書(体験入居時)
※見学時のチェックシートを参照
<大切な事> 最終的に2、3箇所まで絞り体験入居をして決めるのが良いでしょう。 『最終的な決め手はヒト』となる場合が多いです! |
⑦契約から入居まで
◎病院で健康診断書◎面談
◎入居契約
◎事務手続き(役所関係)
◎引越しの準備
⑧入居後
◎クーリングオフ(90日)◎家族の入居後のフォロー
◎家族の懇談会
<大切な事> 家族がよく会いに行くことが介護サービスの品質向上に良い影響となります。 |