~前回~介護保険の2015年改正の論点解説Vol.2(利用者負担の増加【自己負担:1割→2割】)
新年2日目は介護保険の2015年改正の論点うち、特別養護老人ホームの入所基準の厳格化を説明させて頂きます。2014年6月18日、医療・介護総合推進法が成立しました。(2014年7月14日更新 追記青字)
全般の概要:介護保険の2015年改正の論点解説
詳細はこちら→介護保険最新情報Vol.380(PDF:433KB)
情報元:厚生労働省介護保険部会
制度の概要
特別養護老人ホーム(特養)は、現在は要介護1から入所する資格がありますが、これからはより介護の必要性の高い「要介護3」以上に限定されます。厳格化の対象は新規の入所者になるため、現在入ってる要介護1~2の方はそのままとなります。 |
制度の例外
例外となるケースも想定されています。それは、認知症が重度の場合や、家族による虐待があるような場合などのやむえない状況です。 |
特別養護老人ホームとは
定義 | 介護保険制度上は『介護老人福祉施設』の分類になり、老人福祉法上『特別養護老人ホーム』と規定されているものです。 特別養護老人ホームは、入所する要介護者に対して、施設サービス計画に基づいて、入浴・排泄・食事等の介護、日常生活の世話、機能訓練、健康管理、療養上の世話を行う施設です。 |
基本的な性格 | 要介護高齢者のための生活施設 |
事業主体 | 社会福祉法人のみ |
施設数(定員) | 約6,500ヶ所(約45万人) |
入居対象者 | 制度上要介護1以上(実際のところ要介護4、5の方が中心) |
平均在所日数 | 1465.1日(厚生労働省調べ平成20年10月) |
平均要介護度 | 3.88(厚生労働省調べ平成22年10月) |
特養の新規利用の介護度
要介護度 | 利用者 | 割合 |
要介護1 | 0.4万人 | 2.8% |
要介護2 | 1.2万人 | 8.7% |
要介護3 | 3.6万人 | 26.1% |
要介護4 | 5.1万人 | 37.0% |
要介護5 | 3.5万人 | 25.4% |
→現状も要介護3以上の新規入所が約9割となっています。
影響
公的施設で安い費用で利用できる特養は、全国で42万人の待機者がいると言われています。そのうち要介護4~5で在宅のままでの待機者は6.7万人ということです。要介護3以上に入所基準を厳格化したとしても、実際は要介護4、5の方が中心となっているため妥当な改正だとは思いますが、待機となっている要介護4~5の6.7万人の受け皿が非常に重要になります。その受け皿となりうる可能性があるのが2011年から制度化されたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)です。今後は低価格で重度対応可能なサ高住が増えてくると思います。ですので多くの方がその情報をしっかりとれるような体制を作ることが大事だと思います。 【関連記事】 ●サービス付き高齢者住宅入門(まとめ) ●サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違い ●サービス付き高齢者向け住宅入門⑤(メリット・デメリット) |
ご不明点や詳細については、お気軽に高齢者住宅仲介センター日本橋店にお問い合わせください。
(担当:満田(ミツダ) 03‐5201‐3645)
次回は介護保険の2015年改正の論点解説Vol.4(特養の食費や居室代の補助廃止)です。
介護サービスの種類に関する記事>
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⑧短期入所生活介護 | ⑧地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護☆ | |
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